
本日の放送でじっちゃんこと新田と永遠の別れをした「たんぽぽ農場」の人々。その中でも齋藤隆成さんが演じる満は、大切な人との別れを通し、“悲しみ”という感情を取り戻すことに。
数多くのドラマや映画で名演技を披露してきた齋藤さんが今回はどんな風に満の感情を表現するのか。ぜひこの目で確かめたいと思い、収録の様子を取材してきました。
満は一家心中でただ一人の生き残り、という辛い過去の持ち主。普段からあまり感情を表に出すことなく、つかみどころのない少年でもあります。新田が亡くなったときは、なぜみんなが悲しむのか理解することが出来ず、戸惑いを覚えるほど。家族を一瞬で失ったとき、感情が麻痺してしまったのかもしれません。そんな満を静かな佇まいで演じてきた齋藤さん。新田の亡き骸にすがりつき涙を流す場面は、これまでとは違う満の一面を見せる、ということでもあります。


リハーサルで齋藤さんは、つぶやくように「じっちゃん…」と新田に声をかけていきます。静かな声だからこそある重みや深み。にじみ出るような淋しさは、聞いているだけで胸を打たれます。監督からは「リハーサルで感情を込めすぎなくていいよ。本番に全部込めて」と言われていましたが、齋藤さんを見ていると、リハーサルも本番も、常に同じ気持ち、同じテンションで演技をしているように見えました。


本番に向け、黙々と台本を読み直していた齋藤さん。するとスタッフの一人が彼に、自身が幼い頃、近しい人を亡くした経験を話し始めました。熱心に耳を傾けていた齋藤さんは、時折質問を。本番を前に、何か感じるものがあったのでしょうか。
そして本番。齋藤さんの演技はまさに“脱帽”の一言です。さまよいの果て、たんぽぽ農場に戻ってきた満はフラフラと新田の元に行き、つぶやくことなく「じっちゃん」と何度も叫んだのです。リハーサルとはまったく違うその演技。何度も何度も「じっちゃん」と繰り返しますが、一度として同じトーンではありません。目には涙を浮かべ、全身で満の悲しみを表現する齋藤さんには、見る者を圧倒するほどの“力”がありました。
第4週について遙役の広瀬アリスさんは、「とっても心に残る印象的な週でした」と語っていましたが、このラストシーンを見ていただければ、広瀬さんの言葉も納得です。
最後にもう一つ、齋藤さんに関して印象的なエピソードを紹介します。満が北山に「人が死んでも悲しくない」と打ち明けるシーンでのこと。北山役の渡辺いっけいさんが「本番ではここのセリフをこんな感じで言いたいんだけど」と齋藤さんに一言。「はい、分かりました」と齋藤さんは、瞬時にセリフの言い方など、演技を変更したのです。齋藤さんは現在13歳。“子役”でなく“一俳優・齋藤隆成”が確かにそこにはいました。




