インタビュー vol.15 小田茜さん 3.25

――ラストに向け、シリアスなシーンが続いていますが、先ほど撮っていた場面は、ずいぶん長いシーンでしたね。
「確かに長かったですね。さっきのシーンでは、私はそんなにセリフがなくて、遠藤(久美子)さんがずいぶんセリフの量がありましたけど、そのシーンの中で長いセリフのある人がいると、『頑張って!』って心の中で応援しています。実は今の撮影で、ちょっとした出来事があったんです。私がセリフを言うタイミングが少し早くなってしまって。要はミスったってことなんですけど(笑)、『どうする?』って遠藤さんにアイコンタクトを送ったら、ちゃんと受けて下さり、芝居を続けてくれたんです。この4ヵ月間、濃厚なシーンをみんなといっぱい撮ってきて、だからこそこんな風に助けてもらえたんだな、と思いました。多分、演じ手にしか分からないことかもしれませんけど」
――この枠の作品は初出演ですが、“濃厚”な場面の連続だった「安宅家の人々」はいかがでしたか?
「本当に“演技”というものに正面から向き合った日々でした。内容も撮影も、“ヘビー”の一言ですね(笑)。キャストもスタッフもみんな、そのとき、そのとき、ベストを尽くして撮影に臨んでいたと思うんです。でも物理的に、どうしても時間がないときもありました。だから、『もっと時間をかければ、もっと素晴らしい作品になるのに』と思ってしまったこともあります。いっぱいいっぱいになりながらも、持ってる力を全部出し切って演じたつもりなので、完成度の高い作品を届けられているという自負はあります。もちろん、反省点もいっぱいありますけどね」
――雅子を演じて、達成感、充実感があると思いますが、今後も年に1本ぐらい、こういう“濃い”撮影が続く作品に出演するといいうのは、いかがですか?
「えー!! 1年に1本ですか!? 私も1年1年、年を取るわけだし。いやー、だって…。私、何言ってるんでしょうね(笑) 」
――撮影がハードなのが伝わってきました。では雅子の心境の変化を演じての感想を聞かせて下さい。
「やっぱり雅子も人間なんだなぁ、と思いました。もともと性格の良い人だと思うんですけど、完ぺきな人なんていませんよね。人は多面的な生き物ですから、雅子もその時々で、自分の中にある、いろんな“色”が現れたんだなぁと思います」
――演じていて、苦労はありませんでしたか?
「あります。ありますよ。最初の頃に比べて、雅子という人物が自分の中にしみ込んでいる分、楽になったかな、というぐらいです。どんな役もですが、『これでいいのかな』と迷い悩みながら演じ始めるんですよ。今回もだんだんシーンが増え、セリフが増え、徐々に雅子が自分の中に入ってきて、やっと雅子に気持ちを入れられるようになったんです。雅子の内面を見つめ、置かれている状況を体験して、自分なりの雅子を演じられるようになったというか。本当にやっと、ですよ」
――ではいつぐらいから、雅子にスッと入れるようになったんですか?
「譲二の倒産で暮らしが一変して、いろんなものを抱えてしまったところかな…。困難が続いたところですね」
――何度も辛い目に遭いながら、それでも譲二についていこう、譲二を信じよう、とした雅子の心境は、どんな風に思っていましたか?
「そこは考えて考えて、頑張って私なりに理解した、というのが正直なとことですね。頭では分かるんですよ。でも雅子のようにできるか、と言えば別の話ですけど(笑)。もう理屈じゃないと思います。“気持ち”ですよね。何があっても譲二を愛している、というだけで、それ以上、何も語れないと思う。客観的に見て、私もなぜそこまで、と思ったことがあったし、『もういいじゃない』って言ってあげたくもなりました」
――あそこまで献身的だと、見ている周りが辛くなってしまうかもしれませんね。
「私はすぐ投げ出しちゃうほうなんですね(笑)。だから単純に『雅子って偉いなー』ってずっと思ってました。辛抱強いところも、何事にも耐える強さもすごいと思ったし、私は雅子を演じて、すごくたくさんのことを学びました。そこまでの雅子が最後、譲二から離れたところは、ここまでいろんなことを我慢して耐えてきた末のことなので、理解出来ましたね。『どうしても許せなかったんだな』と」
――ドラマはいよいよクライマックスですが、終盤の見どころは?
「皆が皆、周りのことを気遣い過ぎて、本当に望んでいることが出来てない状況ですよね。まさしく“思いやり精神”が交錯してますけど、見てくださっている方もこれまで以上に気持ちがグッと入る展開になると思います。ご期待下さい」
――この作品に出演して“無償の愛”は見つけられましたか?
「多分、言葉にはできないけれど、“無償の愛”がどんなものなのか、分かってはいるつもりです。撮影に入る前、その答えが明確になればいいな、とも思ってました。でも収録に追われて、『愛って何だろう』と考えている余裕はありませんでした。ひたすらセリフを覚えて、撮影に臨み、の毎日でしたからね」

小田茜所属事務所「オスカープロモーション」
HP:http://www.oscarpro.co.jp/profile/oda/
出演舞台情報
「49日後…」
4月12日〜5月6日
東京PARCO劇場(他全国公演あり)

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