インタビュー

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小日向眞澄 役 美山加恋 さん

2015.12.03

眞澄役のオファーが来たときの感想は?
今年、いろいろな役を演じさせていただきました。その中で、さらに女優として成長し、大人になるためのステップアップになる役をやりたい、という気持ちがあったんです。自分にとって挑戦となる役を。眞澄は私にとってまさに“大挑戦”になると思いました。

台本を読んでどう思いましたか?
展開が予想を超えていて、驚きの連続でしたし『まったく別の世界のお話だな』と感じました。そう思うくらい、眞澄は特殊な役と言うか…。舞台が80年代の作品に出るのは初めてで“すごい昔”ではないけれど、やっぱり今とはいろんなものが全然違いますね。バブルに向け世間全体がハイな雰囲気に包まれ、しゃべり方も微妙に一昔前風で。平成の今の時代にはない空気感ですね。
眞澄はかなり年上の崑一と恋愛し、結婚。ぼたんの義母となり、娘の美輪子も産みます。現在18歳の美山さんからすると、未経験のことばかりだと思います。
どんな役のときも、私はまず役の背景を考え、その人物像を自分の中に落とし込んでいくんです。眞澄の行動とか考えとか、理解できないことも多く、私なりの眞澄像を作っていくのに時間がかかりました。眞澄が青春時代を過ごした当時の映像を見たり、眞澄と同世代の人が10代だったときの話を聞いたり…。実際、眞澄がいたらどんな音楽が好きで、どんな男性がタイプで、憧れの職業は何か。撮影に入るまでに、そんなことも考えました。
緻密な役作りですね。美山さんは眞澄をどんな女の子と捉えていますか?
流されやすい子です(笑)。周りに翻ろうされてしまうんですよね。演じていても、流れに乗って、どんどん先に行ってしまう感じを大切にしました。

とはいえ、意思が弱い役ではないですよね。
自分の思ったことを通す強さや、ハッキリものを言うところはあると私も感じました。でも、決して強引ではないんです。多分、眞澄って考え方や行動がものすごく“女の子”なんですよ。気持ちが弱まっているとき、自分で解決するのでなく崑一さんに会いに行って甘える場面があって、『眞澄って本当に“女子”だな』と思いました(笑)。
では、眞澄を演じる上で美山さんが“芯”にしたものとは?
愛情を求める気持ちです。眞澄って、隣に誰かいてくれないとダメなタイプなので。そもそもお母さんに構ってもらっていない、という思いがずっとあって、常に愛情に飢え、安心できるものが欲しい子じゃないでしょうか。
眞澄を演じていて、難しかったところは?
崑一さんに好意を表すところです。眞澄は悲しい出来事があって、傷ついた心を崑一さんが癒してくれたことで、一気に気持ちが傾いていきます。ものすごい展開の早い中でも眞澄が崑一さんに惹かれていく心情をちゃんと表現したくて、実際にはそんな場面はないのですが、眞澄と崑一さんが会って話をしたり、デートに行ったりしたときのことを考え、そんな出来事を経ての崑一さんへの想い、というものを演じたつもりです。

第1週は怒涛の展開なので、話の流れに乗るのは大変でしたか?
もう、頑張って追いついていくのみです(笑)。『ええ、こうなるの⁉』と驚くことばかりだし、セリフもいつも読んでいる台本とは雰囲気が違うので、一度引っかかると、なかなか前に進めなくて。『だのに、口惜しい』というセリフがあったんです。“だのに”も“口惜しい”も普段は使わないので、言葉としては理解できても、すんなり入ってこなかったです。
眞澄を演じる上で苦労も多かったですか?
マネージャーさんといつも話していることで、どんな作品もせっかく出演させてもらった以上、美山加恋が出て良かったと思ってもらいたいし、少しでも爪痕を残したくて。眞澄は演じ方次第でそれが出来ると思い、最初からエネルギー全開で演じました。『新・牡丹と薔薇』はこれまで私が触れたことのない世界でした。でも、昼ドラならではのセリフや展開。その中でどういう演技が求められるのか…。考えることや学ぶことが多く、思い切ってぶつかって得るものも多かったです。
美山さんの母親ぶりには驚く視聴者の方も多いと思います。
まず私自身が、母親役ということに驚きました(笑)。でもぼたん役の(古川)凛ちゃんと一緒に演技をしていると、不思議と“母性”が出てきたんです。10代の私にもこんな感情があるんですね。それに凛ちゃんぐらいの子供とお芝居をするのは初めてでしたが、自分が子役だったとき、どれだけキャストの皆さんやスタッフの方々に助けて頂いていたのか気づきました。お芝居の最中、凛ちゃんがカメラにしっかり映っていないことがあって、私が彼女を良き場所にさりげなく連れて行ったんです。そのときに、『私もこんな風にサポートしてもらっていたんだろうな』と思いました。これからも小さい子と共演することがあれば、以前私がしてもらったように、しっかりサポートしていきたいですね。
最後に、第1週の眞澄の見どころを教えてください。
全編インパクトがあるので、どこと言えないです(笑)。眞澄と崑一さんの甘い恋愛模様、そこに現れる世奈子さん、娘のことを世間に隠して女優業にかける萌子さん、キャラの濃さだったら誰にも負けないカオルコさん…。そのどれもが見逃せないと思います。視聴者の方の中には、私が眞澄のような役を演じることにまず驚く方もいると思うんです。大いに驚いて頂いて、その後は衝撃の連続となっている展開を楽しんでいただきたいです。多分、あっという間にのめり込んでいただけるはずなので。