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インタビュー

山本陽子さん(安藤ミツ子役)

人物紹介

――山本さんが演じる安藤は原作の小説には登場しないキャラクターです。原作のある作品でドラマオリジナルキャラクターを演じることに難しさってあるんでしょうか?
 「別にそれはないですね。不思議なんですけど、私は今回のようにオリジナルキャラクターを演じることが結構多いんですよ。作品に何か一つを加えたいとき、私がそういう役目を担うのに合っているのかしら(笑)」

――安藤のセリフは、ドラマが伝えたいメッセージを表しているものが多かったと思います。
 「そうなんです。それに加え、よく話していたでしょ。驚くほど饒舌に(笑)。元々は小学校の先生をしていたということもあるかもしれませんけど、これまで生きてきた中でいろんな経験や体験をしてきて、『こんなことが起きてしまったら、こんな風に対応すればいいんじゃないですか』ということを、滴だけでなく、ドラマをご覧になっている皆さんに伝える役割でしたね」

――安藤は滴との出会いから、残された時間を目一杯輝かせ、この世を去りましたが。
 「余命いくばくもない安藤はいつ死んでもいいと思っていたけれど、滴と知り合い、親しくなって、『一緒に戦いましょう、治療すれば助かる道もあるはずですから』と言ってもらったことで勇気をいただいたんですよね。夫もすでに亡くしていて、身寄りもいない安藤は滴に対して娘のような近しい気持ちを抱き、生きることに再び希望を抱いたから何かが変わったんです。そこから自分の思いや気持ちをどんどん話すようになって。
 最初は『亡くなる寸前の病人がこんなに元気で、こんなに話していいのかしら?』と思ったんです。でもふと考えたんですけど、人は亡くなる間際、きっと伝えたいことがあふれんばかりになって、それまで無口だったのに急に勢いに任せ、話し始めることってあるんですよね。それでふっと亡くなってしまうの。私もそういう方を知っています。そのことを思い出してから、安藤もリアリティのある役だと思うようになったんです。とは言え、夫との思い出がある海に行った場面でも、『ここに来てまでこんなにも話すんだ』とやっぱり思いましたが、その直後に亡くなったでしょ。もう、海に行ったことで思い残すことはなかったんでしょうね」

――自分の思いを遂げて命が尽きた、と?
 「海に行きたいと言い出した時点で、自分の体の限界を悟っていたと思います。そこには『死ぬ前にもう一度、あの海を見たい』でなく『生きているうちに行きたい』という強い執念を私は感じました。安藤にとっては人生の幕引きをするためにも、海に行くことが大切だったんですよ。例えば、ずっと疎遠だった人から急に電話をいただき、いろんなお話しをした直後、その人が亡くなる、なんてこと聞きますでしょ。そこには“これだけは伝えたい”、“これだけはやっておかなくては”という思いがある気がしますね」
――安藤は死を直前にしても自分の思いを語り、願いを叶えようと必死でした。人は「もうこれでいい」と満足してこの世を去れるものでしょうか?
 「満足はないでしょうね。自分では『もっと生きたい!』と思うんですよ。その一方で、体がどんどんダメになっていってしまう。だから『これだけは伝えたい!』になると思います」

――安藤の場合、その一言が深くて重いものでした。
 「ときどき朝から晩まで撮影がびっしりあって、おっしゃる通り、意味のあるセリフをずっとしゃべり、血を吐いて倒れたかと思うと、また元気になってよくしゃべって(笑)。演じていて大変なときがありましたが、安藤の場合、滴と出会ったことで生きる希望があったから、決して無理はしてないんですよ。安藤と滴の関係はとっても良いと思いますよ。安藤が滴のおかげで元気になれたように、滴も安藤の言葉で救われることが何度もあり、気づかぬうち支え合っていたというか、良い意味での“持ちつ持たれつ”ですよね」
――安藤のセリフで印象に残っているものはありますか?
 「ちゃんと人と関わっていける、ということはその人の心の中に入っていけるということで、そうすると自分が死んだ後でもその人の心の中で生き続けられると思う、というのは素敵な言葉だと思います。ちゃんと人と向き合うことはちゃんと人と関わること。自分のセリフながら、私自身もハッとしました」

――安藤の人生の本質を突いたセリフはドキッとさせられるものが多かったです。そんな役を演じ、この作品に対してどんなことを感じていますか?
 「“オギャー”と声を上げてから人の人生は始まりますが、命を大切にできるかできないかはその人の考え方次第だと思うんです。生まれた状況や育った環境は人によってまったく違いますから。それでも命の重さは平等だから大切に守っていかなくてはいけないんですよ。
 だって命があるからこそ、人は何でもできるわけでしょ? 安藤という役を通しても、もしかしたら何もしないでただ死を待っていたかもしれないのに滴という一人の人との出会いで運命が大きく変わりました。そんな出会いの大切さを感じてもらえたら。 孤独にさいなまれ、暗闇の中で生きている人もこの世の中にはいるかもしれません。でも受け入れる気持ち、心を開く気持ちを持てたら人は変われるし、光の当たる場所に行けると思うんです。そんなことが安藤の生き様から伝わっていたらうれしいですね」
  • 水野美紀さん(百田滴役) 前編
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