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インタビュー

水野久美さん(富沢佐智役)

人物紹介

――クランクイン直前、佐智はご自身に近い役だとおっしゃっていましたね。
 「そうですね。私、佐智のことがすごく分かるんです。まず一人息子がいるところが同じで、私も彼を甘やかさなかったし、自分も甘えなかったし。でも、息子に何かあればちゃんと手を差し伸べてきました。私の息子も結婚しているから、佐智の茜さんに対する気持ちもよく分かります。『これ、私のことを言っているのかしら』という部分がいろいろとあって。もちろん、すべてがすべて佐智と一緒っていう訳じゃないですよ。でも自分の経験を引き出しから出して演じることができました。これでセリフがすっと頭の中に入ってくれたら言うことないのだけれど(笑)」

――水野さんは佐智をどんな人物と捉えていますか?
 「苦労してここまで来ているし、結構人生の荒波にもまれ、キツいところもあるけれど、優しさもある。身一つで行商から始めて成功したんでしょうが、私もたくさんチャンスをいただいた反面、いろいろ苦しいことがありながら、それに負けず這い上がってきました。だから『ああ、すごく分かる』となるんです」
――今回は佐智のどんなところを視聴者の皆さんに観てもらいたいと思いましたか?
 「彼女のバイタリティーですね。いくつになってもパワーをもって生きるのは素敵なこと。何事も『もうやりたくない』と言ってしまったら終わりでしょ。佐智は常に生きる希望を持っている人。人は絶対、『これだけは続けたい』とか『これは何があっても形にしたい』というものがあったほうがいいから」

――「慈命」という作品に対しての感想を聞かせてください。
 「私、第一部の『余命』を観ていたのだけれど、感銘を受けたの。『えー、今の昼ドラってこんな作品を放送するんだ』って。“命”ってとっても大切なテーマだと年を重ねれば重ねるだけ思っていたし、第二部のタイトルを聞いたら、『慈命』でしょ。“命を慈しむ”。とっても素敵なタイトルでまたうれしくなっちゃって。若いときは私も生きること、人生に対していい加減なところがあって、ささいなことで『もう死にたい』なんて思っていたけれど、そんなのとんでもない。今はやりたいことがいくらでもあるし、まだまだできることがあると信じているから、悔いを残さぬよう精いっぱい生きたいの。だからこういう作品に参加できて光栄でした」
――水野さんがこの枠で出演してきた作品とは違いますか?
 「かつては嫁をいじめてばかりでしたから(笑)。今回は茜さんだけでなく、誰のこともいじめてなくて、まずそれが新鮮。お昼のドラマもこういう作品をどんどんやって欲しいですね。嫁姑のバトルとかドロドロの愛憎劇だとか、そういうテイストのドラマも求められるかもしれないけれど、命を正面から見つめる『慈命』みたいな作品も今の時代には必要じゃないかしら」

――水野さんがこの枠の作品に出演するのは「幸せづくり」(‘99)以来だそうですね。
 「仕事に対する意欲は以前と変わらずなんだけれど、セリフが(笑)。昔は1回で頭に入ったのに今はとても無理。精神的な面でなく、肉体的な変化を実感しています。私は昼ドラの撮影に対応できるだけの力があるのか、まさにテストですね。今回は佐智がとっても自分に近しく、セリフさえ覚えてしまえば自然と動けたので、そういう意味では助かりました。今回、メインで撮っている奥村監督とはこの枠でかつてご一緒したことがあるんですけど、こうして仕事をするのは18年ぶりぐらいなんですよ。『お久しゅうございます』って感じですけど(笑)、こういう機会をいただけたこともうれしかったですね」
――この作品では誰もが人のことを思い遣り、気遣いながらも、悪い方向に話が進んでしまうこともありましたが…。
 「それは一人ひとりの背負っている運命というものがありますから。人は運命に振り回され生きていくんですよ。そこには楽しみだけでなく、苦しみも悲しみもあって、ドラマの中でみんながゴチャゴチャとした混乱に巻き込まれてしまったけれど、それでも生きて行く上でプラスになるものは残るんじゃないかしら。この作品は、大変なことがあってもそれをどう受け止め、耐えたあとには何が待っているのか伝えてくれる話だとも思いますね」

――水野さんの息子さんはご結婚されているとのことですが、佐智と茜の関係をどう思いますか? また嫁姑の付き合いで大切なことは何だと思いますか?
 「私もそうだけれど、佐智も若かりし頃はすぐカッと来たタイプだと思うの(笑)。それで今は頭に来る前に、冷静に考えることが出来るようになったと思うんです。『相手がこうするなら、私はこうしましょう』と。そんな風に思えるだけで、人との接し方、嫁とも接し方って違いますよね。嫁姑って合うはずがないと言うでしょ。私のところは幸い、よく合うんですよ。それはなぜかと言えば、別々の人生を歩んできて、縁が合って家族になったからとは言え、一緒の価値観の中で暮らそうとしても無理だから、そのことを念頭に置いているんです。嫁と姑なんて、お互い自分にないものを相手に見つけて、良いところがあれば取り入れる、くらいに考えたほうがいいんですよ。嫁姑のバトルっていうのも、お互いが常に同じ立場にいて譲ろうとしないから起きるんです。こんなことが言えるのも、私が嫁の立場だったとき、姑との関係でいろいろ悩んだからこそですけど(笑)」

――では人生の先輩として、ハナのような生き方とどう思いますか?
 「別に何の違和感もないですね。ハナがシングルマザーとして生きるのはやっぱり運命なんですよ。そういう人生を与えられたら、サヤと二人で幸せになるよう生きていけばいいんです。ただ、二人で暮らすことがマイナスになるのなら、お互いが幸せになる道を考えたほうがいいと思いますけど。もし私がハナと同じ立場なら、やっぱり彼女のような選択をするんじゃないかしら。子どもってそれだけ大切な存在なんですよ。ハナは佐智に子どもの父親が誰か、絶対明かさなかったでしょ。普通なら、チラッとでもこぼしますよ。彼女の強さが気持ち良くて、私にはまぶしかっです」

――最後に伺います。作品のテーマでもある「心の豊かさ」とは何だと思いますか?
 「やっぱり“愛”じゃないかしら。愛情があれば人は豊かに人生を生きていけるものだから。命は大切だけれど、与えられた命を生かすも殺すも自分次第で、愛があれば何事もプラスに変えられるし、人生を素敵に過ごせると思いますよ」
――水野さんは愛にあふれていらっしゃいますか?
 「おかげ様で(笑)。70歳を過ぎたころからようやくね」
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