皆さんは「定額制」という言葉で何を思い浮かべますか?街の人に聞いてみると…。

男性:
「携帯料金とか(定額)のイメージがあります」

女性:
「携帯料金ですかね」

別の女性:
「動画とかですかね」

 やはり、街の人も携帯電話の通話料金などのイメージが強い定額サービスですが、実は今、新たな波が広がっています。それが「定額制グルメ」!

■ラーメン店が定額制グルメに参入

 名古屋市千種区の「日の出ラーメン千種分店」にお邪魔すると、店内には何やらチケットのようなものを出しているお客さんがいます。これは…?

男性客:
「1ヶ月間の定期みたいなラーメンのクーポンです。8500円で1ヶ月間通い放題」

 ここでは、8500円の定額クーポンを買えば、買った日から1カ月間、お店の看板メニュー2種類のうちどちらか1杯を毎日食べられるんです!そのうちの1杯が…。

店長:
「お待たせしました、剛つけ麺大盛りです」

藤本晶子アナウンサー:
「麺たっぷりですね、これが定額で食べられる?」

店長:「そうです」

藤本アナ:
「(食べて…)おいしい!すごい魚のダシの味がします、あと麺がすごい太くて食べ応えがありますね」

 そして選べるもう一杯が、「ガッツ麺DX」、通常830円です。辛味ミンチにチャーシューマヨ、背脂、卵黄などを一気に混ぜて食べるボリューム満点の人気メニュー。

 ガッツ麺を毎日1か月食べると、総額2万5730円かかるところ、定額制なら8500円のため、1万7230円お得になります。

 11杯で元が取れて、12杯目から無料になる計算。しかし、そもそもなぜラーメン店で定額制グルメを始めたんでしょうか?

店長:
「ちょうどここの店の場所が、近くに学習塾も多くあって、学生の方がお客さんに多いので、たくさん食べたい、毎日食べたい方に向いているかなと思って始めてみました。完全に31日間食べた人はいませんが、30日食べられた方がいます。一番多かったと思います」

 飲食業界に押し寄せる「定額制」の波。その理由を経済に詳しい中京大学の内田俊宏さんに伺いました。

中京大学経済学部 客員教授・内田俊宏さん:
「定額サービスが特に外食産業で増加している背景としては、ラーメン店などの競争が激しい業界では常連客をつなぎ止めて固定収入を得られるというメリットがありますし、また結局、利用者は定額を支払っているわけですから、定価から逆算した上で、積極的にお店に行くという意欲にもなると思います」

■カフェでも定額飲み放題

 新たに定額制グルメに参入したのが、名古屋市千種区の吹上駅から徒歩五分の「カフェスマイル」。11月下旬に始めたばかりです。

藤本アナ:
「こちらで新たに定額サービスを始められたと聞いたんですけど、どういったものなんですか」

店主:
「カフェパスというサイトに登録していただいて、定額サービスをお申し込みいただくと、月に30杯までコーヒーとかカプチーノとかが飲み放題になるサービスです」

「カフェパス」とは、全国共通で利用できる定額制グルメのサービスで、名古屋市では、現在9店舗のカフェが登録するなど続々と参加店が増えています。

 スマホやパソコンで登録すれば、1ヶ月4860円で全国どこでも、参加店で30杯までコーヒーなどが飲み放題になります。「カフェスマイル」では、通常550円のカプチーノや抹茶ラテ、また400円のコーヒーが対象になっています。

店主:「抹茶ラテです」

藤本アナ:
「かわいい…これも定額に入ってるんですね。思ったよりほのかに抹茶が来て、ミルクの優しい味のほうが強いですね。1日で何杯か飲んでもいいんですか?」

店主:
「30分経つと次のオーダーができるんですけど、立て続けにはできないです。定額サービスに登録しているということは、通ってくれる可能性があるのかなと思って、積極的に話しかけたりするので、お客さんともコミュニケーションしやすいですね」

 お店側とお客さん、どちらにもうれしい「定額グルメ」。更なる広がりに注目です。