第572回 東海テレビ放送番組審議会

1.開催日

 平成29年7月11日(火)

2.出席者

出席委員

浅田剛夫委員長、後藤ひとみ副委員長、臼田信行委員、大松利幸委員、金子慎委員、川谷陽子委員、黒野友之委員、福谷朋子委員、松原和弘委員、山岡耕春委員

社側出席

石黒大山代表取締役会長、内田優代表取締役社長、小島浩資専務取締役(総括)、春田亮介常務取締役(コンプライアンス担当)、祖父江茂樹取締役編成局長、喜多功取締役報道局長、富田守男コンプライアンス推進局長、深川辰巳スポーツ局長、 川瀬隆司制作局長、伏原健之報道局報道部プロデューサー、奥田繁(株)エキスプレス 取材・撮影・編集担当

3.議 題

  1. 「藤井聡太14才」
     平成29年6月23日(金)19:00~19:57放送(57分番組)を審議
  2. 局に寄せられた視聴者からの意見、苦情等の概要(6月分)
  3. その他「私とテレビと東海テレビ」

4.議事の概要

1.審議番組について委員からは

  • 今が旬の藤井四段を紹介するにはタイムリーな番組だった。今まで将棋にはなじみがなかったが、番組を見て、これから応援したいと思うようになった。
  • アマチュア四段でもある萩本欽一さんのナレーションは、一言一句丁寧で、分かりやすかった。「歩はいつか金になり、飛車はやがて竜になる」という言葉が印象に残った。
  • 藤井四段がプロになるまでの紹介は、将棋を学びながら成長する過程をじっくり描く一方、プロ昇進後は早いテンポの音楽と共に紹介していて、まさに快進撃を表す構成だった。
  • 番組を通じて、奨励会の厳しさやプロ棋士になる過程も分かりやすい説明があり、将棋ファンでなくても興味を持つことができた。
  • 8歳の時の対局で負けて、うなだれて泣きじゃくる冒頭の映像は、藤井四段の負けず嫌いな性格が本当によく伝わってきた。
  • 28連勝の記録やインタビューを聞くと、とても14才とは思えないと感じる一方、膝を叩いて悔しがったり、忘れ物があったりするエピソードは人間味があり微笑ましかった。
  • 前かがみで集中している様子を「聡太スタイル」と紹介していたが、常に前かがみになっている印象なので、あえて「スタイル」と形容するのには、やや疑問を感じた。
  • 天才と言われているが、番組からは努力あってこそ今の藤井四段があるということがよく分かった。地元の逸材なので、引き続き取材し番組化してもらいたい。

等、貴重なご意見をいただきました。
これに対し、社側からは


  • 取材・撮影・編集担当者の趣味が将棋で、藤井四段を含む若い棋士の様子を、自前のデジタルカメラで撮影した映像がたくさんあった。対局には必ず出かけて行ったことで、藤井四段のご家族とも信頼関係がうまくとれて、取材も可能になった。
  • 何年も前から将棋の企画を時々放送してきたが、その中に藤井四段がいて、あっという間に大ブームになった。藤井四段の企画ニュースは世間の関心が高いことが分かったため、一旦まとめて特番にしようと思った。
  • 撮影した映像素材をきちんと放送しようという思いがあった。地元の局として、地元から出たヒーローを応援していきたいというスタンスだった。
  • 「歩はいつか金になり、飛車はやがて竜になる」というコメントは、将棋が分からない方にも、何かが成長していいものになるんだ、というニュアンスを理解してもらうため使用した。
  • 藤井四段を知ったのは彼が小学校5年生の時で、「東海地方にすごい子がいる」と教えてもらった。最初は奨励会四級だったが、一年後には一級になっていて、これは本当に中学生プロ棋士になると思い、小学6年の夏から取材させてもらった。

等、番組制作に関し説明がありました。

2.社側から6月の1カ月間に、電話・文書・メールで視聴者から局に寄せられた、問い合わせや苦情等、1,732件の意見の概要を報告しました。

3.委員発言「私とテレビと東海テレビ」(要旨)

自身とテレビとの関わりについて、委員が自由に発言する時間を設けています。
7月は2人の委員から次のような所感・提言がありました。

最近は番組を録画して見る視聴者が増えている。よい番組は録画してでも見る時代だが、これは東海テレビにとってチャンスでもあると思う。しかし東京と同じような番組は、やがて淘汰されると考えている。この地方の情報をしっかり集め、地元にこだわった東海テレビらしさのある番組を、これからも作っていってもらいたい。

過去の凶悪犯罪を再現ドラマで紹介するバラエティ番組があるが、これを見て心を痛めている関係者に思いを致さない制作者に対し怒りを覚えている。また、犯罪被害者の遺族が日常を取り戻そうしている中、昼夜を問わないマスコミの取材攻勢もいかがなものかと思う。制作者には、こうしたことも意識して番組を作ってもらいたい。