第577回 東海テレビ放送番組審議会
1.開催日
平成30年1月9日(火)
2.出席者
出席委員
浅田剛夫委員長、後藤ひとみ副委員長、大松利幸委員、金子慎委員、川谷陽子委員、黒野友之委員、林寛子委員、福谷朋子委員、松原和弘委員、山岡耕春委員
社側出席
石黒大山代表取締役会長、内田優代表取締役社長、小島浩資専務取締役(総括)、春田亮介常務取締役(コンプライアンス担当)、祖父江茂樹取締役編成局長、喜多功取締役報道局長、富田守男コンプライアンス推進局長、深川辰巳スポーツ局長、川瀬隆司制作局長、岡田健嗣制作局次長兼制作部長、時田一雄制作局制作部プロデューサー
3.議 題
- スイッチ!はじめましてSP 世界遺産・熊野古道を歩く~人々を魅了する巡礼の旅~
平成29年11月25日(土)午前10:25~午後10:55放送(30分番組)を審議 - 報告:局に寄せられた視聴者からの意見、苦情等の概要(12月分)
- その他「私とテレビと東海テレビ」
4.議事の概要
1.審議番組について委員からは
- 熊野三山が過去・現在・未来をあらわし、熊野古道を歩くことが再生を意味するという内容は、コンパクトに信仰のルーツを伝えていた。
- 馬越峠、松本峠、鬼ヶ城での映像が、ローアングルで撮影されているものが多く、自然の雄大さや迫力が伝わってきた。
- 高井アナウンサーは経験が豊富で聞きなれた声なので、とても安心感があった。
- 熊野古道の語り部の解説が非常に良かった。神秘的、心の浄化、五感が研ぎ澄まされるなどの表現も、崇高な神の存在と人々の信仰が結びついているように感じ取ることができた。
- 時間的には難しかったかもしれないが、最終地まで行ってお参りをする様子も見たくなった。
- 全体的に、放送時間が短かった。興味深い話がもっとないかと期待したが、少し物足りなさが残った。
- 「人々を魅了する巡礼の旅」という副題に関心を持って見たが、全体的には観光ルートの紹介のようで、巡礼という深みは不足していた。
- 熊野古道は思わず手を合わせたくなる日本の原風景であり、財産だと改めて感じた。
等、貴重なご意見をいただきました。
これに対し、社側からは
- 情報番組「スイッチ!」では、「街道を行く」というコーナーで、高井アナウンサーが4年余り、この地方のさまざまな街道を歩いている。今回はその特別編として放送した。
- まだ知られていない熊野古道、熊野をどう表現するか、視聴者の皆さんにどう見て頂くかを考え、巡礼の旅をテーマに、「人々はなぜ熊野古道に魅了されたのかを軸に制作した。
等、番組制作に関し説明がありました。
この他、委員と社側の間では
Q.巡礼の旅という大きなタイトルだったが、このテーマについて準備の段階でスタッフ間でどのような検討がなされたのか?
A.準備段階では、映像と語り部で番組が構築できると思ったが、実際にロケをすると、巡礼という言葉はハードルが高く、30分ではなかなか伝えきれなかった。
等の質疑応答がありました。
2.社側から12月の1カ月間に、電話・文書・メールで視聴者から局に寄せられた、問い合わせや苦情等、
3,587件の意見の概要、「BPO報告」No.182の概要を報告しました。
3.その他 委員発言「私とテレビと東海テレビ」(要旨)
自身とテレビとの関わりについて、委員が自由に発言する時間を設けています。
1月は2人の委員から次のような所感・提言がありました。
近年、災害報道の在り方が問題となっている。被災者に無理やりインタビューをすることはよくないと思う。しかし、体験した人の生の声は臨場感があり、テレビを見ている人はインパクトを感じる。災害時の報道には大きな意味があり、視聴者が事実を知るだけでなく、被災者が見捨てられていないと感じ、関心を持ってくれていると感じることもあると思う。「思いやりと配慮」を持ったインタビューや姿勢でレポートすることが大切だと思う。
映像を伴ったテレビは世紀の大発明であり文化を発信している。今後もテレビ文化はAI(人工知能)やIot(モノのインターネット)の進化とともに発展するだろう。すでに多くの人の生活にテレビはビルトインされている。一方、その発展型の一つとしてソーシャルメディア等が正しくない方向に走らないよう注意しなければならない。東海テレビがこれからもこの地区の情報と文化の発信源として貢献してもらいたい。