- ――怒涛の第1部後半
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聖人は、第1部の初めは「悪」という感じで登場しましたが、徐々にこの人も愛の強さをちゃんと持っている人で、人の心がわかる人だということがわかってきましたし、彩乃さんが出てきてからはさらにボルテージも上がってきましたね。聖人はそもそも親父の研究データを奪う目的で近寄ってきましたが、彩乃が現れたことで、親父を死に至らしめようという展開になってくるわけですからね。母親に対する愛やその愛を裏切った親父への恨みなど、色々な感情が入り混じって、1部の後半は怒涛でした。
「あんたがお母さんなんだろう」と問い詰める頃から、精神的に大変になっていきました。芝居の質もその頃から変わってきたと思います。聖人は淡々としゃべっていますが、その頃から感情を強く出し始めるようになりました。意図的にそう演じた部分もありますが、台本を忠実に読み込んで、聖人の感情で演じると自然にそうなったように思います。
第32話で親父に肝臓移植を断られた時点で、聖人は母親の死を受け入れています。そして、母親の死を受け入れると同時に、父親への殺意が芽生えるんですよね。第1部では、そのシーンが一番感情を露にしたシーンだと思います。本当に母親を助けたいという熱心な思いで、そこには嘘も本当もありませんでした。
日常生活にも影響を受けてしまい、ずっとボーとしてしまったり、寝ているのに目にクマができてしまったり・・・。本当に自分の母親が死んでしまうかもしれないという心情になっていましたね。そうなってみて、聖人ってさみしい人間だったんだなと、初めて思いました。
- ――最後の蔵のシーンは涙が止まらず・・・
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リハーサルの段階から苦しくて仕方がなかったのは、1部のラストで警察に連行される前の、礼子と二人の蔵のシーン。「あなたにも未来があったのに」というセリフには「私との未来もあったはずなのに」という意味も含まれていますので、そのセリフを聞いてしまうと涙が止まりませんでした。でも礼子との対比で、聖人は泣かないでくれと監督から言われ、必死に涙を止めようとしましたが、本番でも泣いてしまい、何度もNGに・・・。
感じたままを表現するのではなく、感じたことにフィルターをかけてそこで表現することの難しさを初めて知りましたね。役者として「芝居ってこういうことなんだな」と勉強になりました。
時間をかけて丁寧に撮ったので、とてもいいシーンになったと思います。大変でしたが、一番好きなシーンでもあります。
- ――小柳さんとの共演
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彩乃さんとのシーン撮影は楽しかったですね。役者として小柳ルミ子さんとお芝居できたことはうれしかったです。
小柳さんは色々な意味でとても広い方です。心も、受け入れる幅も・・・。でもただ突っ立っているだけだと、あの柔らかさというか、おおらかさ、優しさに飲み込まれてしまいそうでした。だからちゃんと自分で聖人というものをしっかり持っていないとだめだなと、身を引き締めましたね。ダンスシーンはとても緊張しましたが、「ゆっくりでいいのよ。私がリードしてあげるから」っておっしゃって下さって。本当にお母さんのような存在でした。
- ――第2部のニヒルな聖人に葛藤
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第1部から第2部への切り替えが難しかったですね。1部では悪だけど、まだ愛の心があったり寂しげな表情があるので、聖人の愛らしさを感じましたが、第2部は本当にニヒルです。
今まで唯一礼子への愛だけは本物だったのに、それさえも道具になってしまい、僕自身聖人を演じるのに心の葛藤が常にある状態です。第42話の台本をいただいて、聖人が礼子に「俺の前にひざまずかせる」と言うセリフを初めて読んだ時には落ちました。自分のキャパシティーを超えてしまっているので、今はどんどん台本を読み込んで、自分の中で解消していきたいと思っています。聖人を演じる難しさはありますが、現場の空気や共演者との触れ合いなど、周りが聖人を作っていってくれた気がします。2部に入ってから余裕がなくなってきましたが、負けていられないなと思います。
第2部の聖人はニヒルに徹していますが、1部の聖人がいるからこそ、2部の聖人があるのだとわかってほしいですね!
彩乃さんが登場してから、僕たち役者もどんどんテンションが上がり、力も入ってきていますので、最後までやりきるだけです!

