岐阜県関市で70年以上にわたり愛される「関牛乳」は、スーパーなどでの販売のほか、市内の小中学校4校へ学校給食用として牛乳を卸すなど、地元で70年以上愛され続けています。

 しかし、夏休みの終わり控えた8月24日、突然困った知らせが届きました。

関牛乳の社長:
「オンライン授業ということで、給食が1週間キャンセルということになって」

 新型コロナ感染拡大の影響は市内の小中学校の授業に及び、9月3日までの給食が突然キャンセルに。用意していたおよそ2500リットルの牛乳の行き場が無くなってしまったのです。

社長:
「(廃棄を防ぐために)1500Lはコーヒーなどの乳飲料の原料に使うことでなんとかして」

 それでも1000リットルの牛乳が残りました。そこで吉田社長は家族と協力し移動販売を開始。さらに…。

<ツイート内容>
「急きょ、出張販売始めました。関牛乳を見たら、ぜひお願いします」

 ツイッターで「SOS」。たちまち4万件をこえる「いいね」などの反響を呼びました。

社長:
「1日でバズって。かなり反響が大きかったです」

 31日も市役所で販売。ツイッターなどで知ったという人が続々と…。

地元住民:
「同級生がみんな買おうと。作ってる所も分かってるもんで」

別の地元住民:
「給食で売れなくなった牛乳をこちらで売っているので買いに来ました」

 さらに、お隣・石川県の人気焼き菓子店「bienBake(ビアンベイク)」も…。

bienBakeの担当者:
「力になれたらと思い、すぐに牛乳の購入に動きました」

 購入した関牛乳200リットルは店の人気商品「カヌレ」に使う予定で、9月半ばの販売を前に予約を受け付けたところ…。

ビアンベイクの担当者:
「岐阜県出身の方から『うちの牛乳を助けていただいてありがとうございます』というコメントと共に購入される方がとても多い」

 ツイッターでのSOSから広がった応援の輪。吉田社長は、余った1000リットルは全て売り切ることができそうだと胸をなでおろします。

社長:
「ビックリしていて、ほんとみんなの温かいご支援というか、地元もそうですし、全国からそうやって支援していただいて感激であります」