三重県四日市市で8月、新型コロナに感染した夫の濃厚接触者になった妊婦が、PCR検査をすぐに受けられずに複数の産婦人科で診察を断られ、その後流産していたことがわかりました。

 四日市市に住む妊娠4カ月だった20代の女性は、8月19日に夫の感染が判明し、保健所から濃厚接触者に認定されましたが、症状がなかったことを理由に保健所によるPCR検査を受けることができませんでした。

 女性は8月23日から腹痛を訴えましたが、PCR検査を受けていないことから複数の病院で診察を断られ、2日後に流産しました。

流産した女性:
「(保健所に)何回も電話して『何とかなりませんか?』って言っても、『無症状の方はPCR検査は受けられませんので』って。『陰性でしたよ』って、赤ちゃんが死んだ後に聞いたんですけど」

 関係者によると、三重県内の感染者が多い一部の自治体の保健所では、8月下旬以降、濃厚接触者への検査は症状が出た人を優先する方針に変更されていたということです。

 四日市市保健所は取材に対し、「妊婦の検査を優先していたはずだが、女性のPCR検査の経緯は把握していない」としています。