新型コロナ感染を巡り、町議会の議員「全員」が議会に参加できなくなる事態が起きました。

 岐阜県輪之内町で、男性議員1人が感染したことで議員全員が濃厚接触者となり、議会が議員不在のまま閉会することがわかりました。

 岐阜県の輪之内町役場では7日、9月議会が開かれているはずですが、議員の姿は1人もありませんでした。

(リポート)
「議員が出席できないため、開会中の議会はこのまま閉会となります」

 輪之内町によりますと、9月3日、9月議会に出席した男性議員1人がその日の夕方に体調不良を訴え、検査で新型コロナへの感染が判明しました。

 輪之内町議会には議員が9人いますが、ほかの議員8人すべてが濃厚接触者と判断され、9月17日まで自宅待機する事態となりました。

 9月3日の昼、感染した男性議員を含む議員9人全員で役場で昼食を食べていたため、全員が濃厚接触者に認定されました。町によりますと、昼食は1時間ほどで、議員9人は円卓に1メートルほどの間隔で向かい合うように座り、パーティションも設置されていましたが、前方に仕切りなどはなかったといいます。

 議員全員が議会に出席できなくなる異例の事態です。9月議会の会期は16日までですが、議員不在のまま閉会することが決まりました。

輪之内町の参事:
「私どもの認識が不十分だったと。より感染対策については敏感になって進めていきたい」

 徹底した感染対策が求められる中で起きた異例の事態に、町民は…。

輪之内町民:
「危機感がないんやろ」
「この状況で、そういう会食したのもちょっと考え物ですね」
「毎日緊張ばっかではいかんで、油断が出るんかね」

 輪之内町議会では、今回審議ができなくなった議案について、今後臨時議会を開くなどの対応を検討しています。