ウクライナの人たちが求める「停戦」は、早い段階で実現できるのか。ロシアの文化や経済などを研究している名古屋学院大学の家本博一名誉教授に聞きました。

Q.今回「交渉は継続」で合意した停戦交渉について

家本名誉教授:
「今のところはお互いに言いたいことを言ってるだけですから。これから1つは戦局です。2つ目はEUやアメリカの軍事援助が実際に前線に届くかどうかです。この点に関しては、ロシア軍は絶対にいろんな工作員を派遣して妨害工作をやると思います。(重要なのは)ウクライナ軍が統一的な戦いを行うことができるか、特にキエフとハリコフ」

 多くのウクライナの人が求める即時の「停戦」に、悲観的な見方を示しました。

Q.ロシアのプーチン大統領の狙いは

家本名誉教授:
「ロシアの安全保障の考え方というのは、昔からの弾道ミサイルを使った核兵器の考え方。もう1つは絶対敵とは国境を接しない、すなわち緩衝帯を作る。緩衝帯に関しては徐々に狭められていると(ロシアは)意識しているわけです。(プーチン大統領は)危ないという以上に、少し冷静ではないと思います。交渉というのものに重きを置いていないといえると思います。軍事というよりも、脅しでやれば屈服するという考え方だと思います」

Q.今後の戦局について

家本名誉教授:
「プーチン政権が一番気にしているのは、EUでありNATOです。アメリカの動きの関係で、今回の戦闘状況、ウクライナ侵攻を見るべきではないかなと思います」

Q.日本への影響

家本名誉教授:
「われわれ日本人は戦争をやっている当事者ではありませんが、注目しておくべきは終わり方。どういう諸外国、超大国がどのような終わり方をするのか、これはしっかり見ておく必要があると思います」