2025年8月9日
梅沢富美男&研ナオコ“ラスボス級”人情対談
「人から教わること、人に教えることは昭和でも令和でも、本質は変わらない」
梅沢富美男が下町・浅草の最強人情おばあちゃんを演じる土ドラ『浅草ラスボスおばあちゃん』(東海テレビ・フジテレビ系毎週土曜日23時40分)。便利屋・日向松子(梅沢富美男)の元に寄せられる悩みや問題を、松子のお節介で爽快に解決していく人情物語だ。
今夜放送の6話では、終活を始めた竹子(浅丘ルリ子)のバーの大掃除中、松竹梅トリオの親友・松子(梅沢富美男)と梅子(研ナオコ)が、古い灯ろうを見つける。それは竹子が若き日に恋した“元恋人”との思い出の品だった。
未練を抱える竹子のため、松子は元恋人を探す“恋の大捜査”を始める。
果たして、半世紀を超えた恋の結末とは――?
作中では、松竹梅トリオの親友として、軽妙な掛け合いを見せる梅沢富美男と研ナオコ。
先週に引き続き、プライベートでも 20 年来の親交がある2人の“酸い強め”のリアルな人生トークをお届け!
衝撃的な出会いから普遍的な価値観についてまで、本音と信頼が交差し、熱量たっぷりで語ってもらった。
梅沢富美男&研ナオコの対談
「カメラにお尻を向けて梅沢さんをずっと見ていた(笑)」
―――お2人が初めて出会ったのは
梅沢:研さんに声をかけてもらったのは、俺が紅白歌合戦に初めて出た時。
みなさん、芸能界について少し誤解しているかもしれないけど、あそこは仲良しこよしの世界じゃなくて、みんなライバル。だから、紅白に初出場した時だって、誰も口なんかきいてくれなかった。
研:ザ・芸能界(爆笑)
梅沢:「夢芝居」を歌って、最後に細川たかしさんと「矢切りの渡し」で踊ったの。
そのエンディングで「蛍の光」をみんなで歌うんだけど、研さんがスッと来て「キレイだね、キレイだね」って(笑)。だから研さんが、芸能人で初めて口をきいてくれた歌手の方ですよね。
研:私が言いたいのは、とにかく梅沢さんが誰よりもキレイだったのよ(笑)。
だから、カメラにお尻を向けて梅沢さんをずっと見ていた(笑)
梅沢:みんなが真正面を向いて歌っている時に、尻をカメラに向けていたのが印象的でした(笑)
研:私は、俳優さんだって紅白に出れば同じ歌手だと思っているの。
だから、そういう差別って全然しないし、好きじゃないのよ。
キレイなものはキレイだし、歌の上手い人は上手いの。それだけのことよ。
「素敵でしょ?素敵な関係と書いてね(笑)」
梅沢:それからずっと研さんが気になって、もう長いお付き合い。
でも、あえてプライベートは切り分けていて。研さんの家に行ったこともないし、携帯番号も知らない。
研:芸能界での付き合いは、もう20年以上。
私も梅沢さん家に行ったことない。お正月に行こうかなと思ったけど、やっぱり行けない。
そういう距離感でのお付き合いですね。でも現場では本当にすごく仲が良いんですよ。
梅沢:芸能人の方と友達付き合いしたのは、研さんが初めてですよ。友達なんていないもん(笑)
人生の中で、芸能界で一番印象に残っている人は誰かと聞かれたら、迷わず研ナオコさんと即答!
研:素敵でしょ?素敵な関係と書いてね(笑)
「研さんのあたたかさと優しさを松子さんの役づくりの中に取り入れた」
―――松子という役にあたり、研さんを参考にされた部分はありますか
梅沢:研さんは、誰に対しても同じ目線で、分け隔てなく接するあたたかさや根っからの優しさがある。
そこを、今回の松子さんの役づくりの中に取り入れたね。
やっぱり、研さん自身が若い頃からすごく苦労してきたからこそ、そういう人間的な深みがあると思う。
たしか、段ボールの上で歌っていたこともあったって…
研:歌っていたこともありましたよ。一気に売れたわけじゃないですから。
私、偉そうにしている人って本当に大嫌いなんですよ(笑)
現場で毎日、体を張って働いているスタッフの方たちには、きちんと挨拶をします。
だって、現場を支えているのはそういう一生懸命な人たちでしょう?
私は、必死で支えてくれている人たちが大好きなんです。
「人から教わること、人に教えることは、令和であろうと本質は変わらない」
―――お2人とも今回が初共演という浅丘ルリ子さんの印象は?
梅沢:スクリーンで見ていた大女優と同じ場所で仕事をできるなんてめったにない。
僕のそばにいるなんて夢のよう。
研:私もルリ子さんは映画でしかお見かけしたことがなかった。共演できて感無量です。
―――そんな、芸能界を駆け抜けてきた皆さんから見て、最近、生きづらさを感じたことは?
梅沢:生きづらさというか…ずいぶん芸能界も変わったなと思いますね。
研:だいぶ変わりましたよね。
梅沢:芸能界でも、しっかりと叱れる人は少なくなってきた。若い世代が叱られることに慣れていないことや、「世代交代」で片付けるのは少し違うと思う。時代ごとに在り方や言い方は変わっても、人から教わること、人に教えることは、昭和であろうと、平成であろうと、令和であろうと、本質は変わらない。
大切なことは、長い時間をかけて培ったものを、次の世代へきちんと伝えることだから。
“浅草ラスボスおばあちゃん”も人情劇がテーマで、根底には「困っている人がいれば助けてあげたい」という思いがある。人が間違っていればきちんと伝える、温かさと厳しさのバランスを大切にしようという思いで、この作品と向き合っています。
