INTERVIEW
迫田孝也さん×山崎樹範さん「僕らが体感した、佐野史郎さんの凄さとは?」
クライマックスも近付き、ますます佐野史郎さん演じる主人公・寺内誠司の怪演ぶりに目が離せない展開となってきました。そんな中、桜井高志役の迫田孝也さん、金田哲平役の山崎樹範さんのお二人に、佐野さんとのドラマでのエピソード等をお聞きしました。
山崎樹範さん「精神年齢のふり幅が凄い! そういうところも佐野さんの真骨頂」
――主演の佐野さんと共演して、改めて思ったことはありますか?
- 山崎
- 佐野さんは実年齢では還暦を過ぎていて、実際、大ベテランの方です。でもあんな大人の方が、芝居の中で、“8歳”みたいなテンションでセリフを言うことがあったんですよ。
- 迫田
- それは驚いたでしょ?
- 山崎
- 正直、本当にびっくりしました。団地のある部屋を掃除する話になったときに、「じゃあ、僕が掃除します!!」って、小学生の子がハイテンションで発言する感じでセリフを言ったんです。精神年齢のふり幅が凄いといいますか、もちろん怖さを出すシーンの顔は本当に怖いですし、セリフもぞっとする。そういうところも佐野さんの真骨頂、見どころですよね。
- 迫田
- 役柄的にも孫の面倒を見たり、老々介護の中で食事を作ったり、掃除も洗濯も裁縫も、寺内という人間は完璧なんです。佐野さんご自身も多趣味な方なので、その経験値が役に乗って、寺内の完璧さが逆に異様さを放っているような気が僕はするんです。
迫田孝也さん「寺内と目が合った時、お芝居を飛び越して逃げ出したい気持ちに」
――印象に残っているシーンを教えていただけますか?
- 迫田
- 高志は基本的に寺内を恐れていて、できれば近づきたくないという立ち位置なので、僕の方がこそっと寺内を覗き見るシーンが多いんです。その時に寺内と目が合うのですが、その恐怖感たるや!!(笑)。寺内はいつ僕の方を見るかわからないので、僕はお芝居を飛び越して逃げ出したい気持ちになります。プレッシャーを感じながら佐野さんとお芝居をさせていただいているという、ありがたいことでもあるんですが…。
- 山崎
- 僕は佐野さんと絡むシーンが多いですが、印象に残っているのは、寺内がスーツケースを引いて団地の中に入っていくシーンでした。ただただ、スーツケースを引いて角を曲がって団地に入る寺内を僕が見ているだけのシーンだったんですが、“本当に怖い”と思ってしまったんです。佐野さんの芝居はふとしたところでも何かを想像できる凄さがあるような気がします。
――ちなみに佐野さんは、金田とのシーンは真面目にやればやるほどおもしろくなるのではと言われていました。
- 山崎
- 寺内や僕を含めた団地住人たちとのシーンはおもしろいですよ。住人たちは個性的なキャラばかりで視聴者の方も、なんじゃこりゃ!? って、動物園を見ているような感じになっているのでは(笑)。
- 迫田
- 動物園!! それは、的確な表現だと思います。特に自治会長のやさぐれ度はすごいですからね(笑)。そんな男でも自治会長の役は受けるというのが、金田のふり幅ではあるんですが。
- 山崎
- 迫田さんが演じている高志が一番まともな人なんですよ。だから僕ら他の団地住人としては逆に、“高志、おかしいこと言っているぞ?”と思うんです。
- 迫田
- 僕も高志が一番まともだと思っていますよ、なのにね(苦笑)。
- 山崎
- 最初は僕、台本を読みながら高志に共感できていたんですよ。でも今はもう、(役の)感情が入っているので、高志が悪いことをして寺内にバレたときに、“ほら、見たことか!!”と思ってしまったんです。まともぶっているヤツに限ってこういうことをするんだって、ちょっと、ざまあみろ的な感じでね…(笑)。
- 迫田
- えっ、そんな感情に!?(笑)。でも浮気はいけないから、結局、僕が悪いんだよね(苦笑)。
山崎樹範さん「あと少しで最終回まで生き延びることが…」
――ドラマも終盤に差し掛かり、寺内の怪演がさらに加速していきます。そんな中、金田と寺内との関わり方や、姿を消してしまった高志の行方は!? など、見逃せない場面はたくさんあります。
- 山崎
- 寺内の本性がわかってしまった金田は、彼なりに頭を使って寺内と距離を縮めていくんですが、相変わらず警戒心は丸出しです。
- 迫田
- 僕はこの先、どうなっていくのか…。
- 山崎
- 高志があのまま黙っているとは思えないですよね。
- 迫田
- 寺内に関して、誰かが立ち上がらないといけないですよね。
- 山崎
- 高志が寺内を追い詰めてくださいよ、そしたら僕も加勢しますから。
- 迫田
- ふたりがタッグを組むという作戦は、寺内は考えつかないかもしれないね!?
- 山崎
- でも僕は死にたくない。あと少しで最終回まで生き延びることができそうですからね(笑)。
