百田 滴 (ももた しずく)
水野美紀
 総合病院の内科医。
 医師を目指したきっかけは、早くに母親をがんで亡くしたこと。父もすでに亡くなっている。
必死で勉強して国家試験に合格し、研修医となった矢先、乳がんを患い、右乳房を切除に。その後、がんの再発を内心恐れて生きてきたが、ようやくここ数年は「もう大丈夫だろう」と思えるようになっている。
 医師の仕事以外はからっきしダメで、家のことは夫の良介に任せっきり。化粧っ気はなくオシャレにも興味がない。着るものは清潔でさえあればよく、無頓着なので、夫が選んでくれる。
 元々誰かに頼ることが苦手で一人でがむしゃらに頑張るタイプ。人に頼ってはいけないと、どこかで思い込んでいる。
 決して天才医師ではないが、仕事と患者に対する熱心さから、上司である部長の信頼が厚い。「私と一緒に戦えますか?」が口癖で、よく患者にそう問いかけている。その診療姿勢は実直で誠実、患者への説明も丁寧で評判が良い。全ての病院から見放された末期の患者でも、年齢に関わらず、生きようとしている患者は積極的に受け入れる。1980年代、まだがん告知が一般的ではない時代において、自身の乳がんの経験から、患者の治療のためにも告知はすべきという考えをもっている。