神楽志乃
野際陽子
 金沢の老舗旅館「かぐらや」の大女将。奈緒子の姑。
 金沢の伝統としきたりを重んじ、加賀百万石の礎を作った前田利家を内助の功で支えた「おまつ様」を敬愛している。
 それゆえ、“えんじょもんの嫁”である奈緒子のことを神楽家の嫁として頑なに認めなかった。
 だが、宗佑も帰ってきて、ついに花嫁のれんをくぐった奈緒子。ようやく、二人の関係も雪解けか―いや、やはりすんなりとはいかない。
 大女将としては、「良き思い出は心の宝、心の宝こそおもてなしの心」と一途に女将道を貫き、時に己の身をなげうっても「かぐらや」のために奔走する。そんな志乃の姿は仲居たちからも尊敬され、芯が通っていて威厳もあると、贔屓の客や金沢の町の衆たちからは絶大な信頼を得ている。