インタビュー

――いよいよ放送が始まりました。
 「いろいろありますよね、今回は。毎週というか毎日が危機だらけですよ(笑)。これまでのシリーズと違って新春のスタートですし、最初、奈緒子とお義母さんは表面上はとても穏やかです。家族とも仲良く暮らし、平穏無事な感じなんですけど...。台本を読んでいると、ものすごいことがどんどん起きて、冷静に考えるとその量が『え、これ1話分の話!?』というくらいです。いろんなトラブルや問題が起きて、いろんなお客様がいらっしゃって...」
――パート3では、嫁姑バトルがこれまで以上に激しいとか。
 「台本に書かれているセリフがかなりきつくて。読んでいても『うわ、このきついセリフをどう言えばいいんだろう?』と思うんですけど、いざ声に出して言うとよりきつくなっているんです(笑)。私なりにいろいろ考えた結果、奈緒子はきっと天真爛漫に言うんじゃないか、と思ってます。言わなくていいことをつい無邪気に言ってしまうから、お義母さんに睨まれてしまうんですよ。だからポンポン言うときは変に深刻にならず、金沢にやって来てからお義父さん、お義母さんに気に入られようと一生懸命やってきた奈緒子が、やっと手に入れたポジションを守りつつ、どうやって自分の立ち位置を広げればいいのか考えて、その思いゆえの発言に聞こえればいいな、と思ってます。でも、いざ野際(陽子)さんに対してセリフを言うとなると...しんどいですよ(笑)」
――野際さんとは以前から親交があり、尊敬していると常々おっしゃってますよね。
 「お義母さんとやり合うシーンで『何とかギャフンと言わせたい』という気持ちを芯に持たなくてはいけないんですが、私自身、野際さんのことが好き過ぎるから本当に大変です。そういうバトルの場面が"嘘"になってはいけないので、苦労しています。ですので、野際さんのお顔を違う人の顔に置き替えてみたりしています。どなたとは言いませんが、過去に意地悪だった人とか(笑)。『あの人なら"何を!"って思えるかな』と(笑)」

――羽田さんから見た野際さんはどんな方ですか?
 「野際さんの良いところなら1時間でも2時間でも語れますよ(笑)。この現場での野際さんはまさに大女将。その場にいらっしゃるだけで、もう佇まいが大女将に見えるってすごいことですよね。『私もこんな女優さんになりたい』とずっと追いかけている憧れの存在です」
――金沢で1週間行われた、ロケ撮影はいかがでしたか?
 「ある意味、天気に恵まれました。"ぶりおこし"という冬の金沢ならではの荒れた天候のことが劇中で描かれますが、天のはからいかロケ先ではぶりおこしばかりで。正直、『もうぶりおこしはいいです~』という感じでした(笑)」
――金沢の印象をお聞かせください。
 「パート1のとき、スタジオでずっと撮影していて、例えば"浅野川で友禅流しをしている良樹"というような場面が台本に出て来ると、実際はどんな感じだろう、とよく空想していたんです。だから実際、金沢に来られたときは、『やっと"花嫁のれん"の世界に会えた!』と本当にうれしかったですね。今回も"えんじょもん"や"いじくらしー"を始め、この土地ならではの言葉や、金沢の良いところや地元の風情が全編に散りばめられています。来年には新幹線も開業するということで、金沢にもっともっと注目が集めるでしょうし、そのためにも金沢の風習や文化をこれまで以上にキチッとお伝えしたいと思っています」

――ロケ中、地元の方に声を掛けられたりは?
 「よくありました。自転車に乗っていた男性の方から『あ、女将や!』と言われたり、主婦の方かな? 二人連れの方が、『ほらほら、"花のれん"よ!』と話していたり。そのときは『花のあとに嫁がつくんですよ』って言いたかったですね(笑)。放送が始まるのを楽しみにしています、と言ってくださる方もいてとてもうれしかったです」
――ではパート3の見どころは?
 「この作品のテーマとして、"人と人を繋ぐ"とか"心と心を繋ぐ"とかというものがあって、旅館がそういう場所になっています。キャスト、スタッフ一同が仲の良い家族のような雰囲気の中、笑顔で日々撮影を頑張っていますし、現場の心地良さがきっと作品に反映されるはずです。観てくださる方の中には何か問題や辛いことを抱えている方もいるかもしれません。おこがましいですがそんな方にはきっと、『かぐらやのみんなも元気だから、今日も頑張ろう!』と思っていただけるのではないでしょうか。私だけでなく、『花嫁のれん』に携わっている皆さんが作品や演技で皆さんのことを少しでも元気づけたい、勇気づけたいと思っているはずですから」

――"勇気づける"という意味では、奈緒子は夫の宗佑をずっと信じて励ましてきましたよね。
 「これまでダメダメな夫でしたもんね(笑)。多分奈緒子は腹が立つのを通り越して、放っておけないのだと思います。『この人の面倒を見られるのは私しかない!』と思っているんじゃないでしょうか。まるで一から十までしてあげないと心配な、大きな犬でも飼っている心境じゃないですか(笑)」
――ところで今回は日本舞踊にも挑戦しますね。
 「20年ぐらい前でしょうか...。日本舞踊をかじったことあるんです。でも思うように踊れず、実は通った教室の先生に『うちで習ったことは他言しないように』と釘を刺されてしまって(笑)。どうしても苦手意識があるのでどこまで成長できるか分かりませんし、日本舞踊って努力だけでなく、持って生まれたセンスも必要な気がしますが、この現場は監督を始め、スタッフさんの多くが気心の知れた方ばかりだし、皆さん私のこともよく分かっていらっしゃるので、踊りを披露する場面があったとしても、きっと何とかなるだろう、と思っています(笑)」

――この作品のテーマの一つに"おもてなし"というものがあります。2013年、この言葉に大きな注目が集まりましたが。
 「とてもありがたいことですよね。この現場でも『パート1のときからずっと言ってましたよね』なんてみんなと話していたし、大きな声では言えませんが、『本家本元は "花嫁のれん"よ!』という自信もなくはないです(笑)」
――では羽田さんにとって"おもてなし"とは?
 「私にこの言葉の意味を教えてくださったのは、野際さんです。というのもこの作品は毎週リハーサルが1日あるんですが、野際さんは『こうしたら視聴者の皆さんがより楽しんでくださるんじゃないかしら』と、いろんなアイデアを出されるんです。私たちはエンターテイナーであり、テレビの向こう側にいる方々のことを常に意識してお芝居をする。その姿勢こそ、この世界にいる者にとっての"おもてなし"じゃないでしょうか。今回も精一杯、奈緒子として旅館に来るお客様だけでなく、視聴者の皆さんのこともおもてなししたいと思っています」

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