インタビュー

――パート3に出演するにあたり、どんなことを思いましたか?
 「自分の中に"馴れ"があったらダメだな、と。それは良くないな、と思いましたね」
――長く演じてきたからこそ、思うことですね。
 「この作品を楽しんでくださっている皆さんのために一番大切なのは、照子という人物を変えないことだと思うんですよ。シリーズものの作品に出るのは『花嫁のれん』が初めてで、『かぐらや』という決まった場所や同じようなシチュエーションで演技をすることが求められますが、それ自体が私にとっては初めて。決して簡単にできることではないですね」
――表面上は変化があったとしても、芯の部分で変わらないものを求められる難しさがあると?
 「"これ"っていう役の設定やキャラクターが決まっていて、それを変えちゃいけない。経験がないし、正直、得意じゃないかもしれない(笑)」

――烏丸さんほどのキャリアがあってもですか?
 「ええ。それでも『花嫁のれん』の現場の家族的な雰囲気はなかなか得られないものですよ。スタッフもキャストもみんな楽しいし、常に笑顔があふれているおかげか、ゲストで来る人たちも笑顔になるんですよ。反面、役者としてそういう温かさに甘えているだけではいけないな、と思うようにもしています」
――役者としていろんな挑戦をしたい、ということですか?
 「先日、凶悪犯の役を演じたんですけど、私の周りもみんなビックリしてましたね。でも人が二の足を踏むような役もどんどんやっていきたいんですよ。見る人を驚かせるようなことができるのもこの仕事の醍醐味だと思っているので」

――このパート3では母屋の場面が増え、そこが前2作と違う点ですね。
 「確かにそうですね。それでも、照子としての立ち位置っていうのはそんなに変わっていないと思うんですよ。母屋での話をよくよく聞いていると、案外『かぐらや』で起きた問題について話し合っていることが多いので。旅館でも母屋でも照子の求められる"役割"は一緒の気がします」
――役割を言葉にすると?
 「パート1のときにも話させてもらいましたが、大女将に対する忠誠心、奈緒子さんが大女将に歯向かうと、『それはどういうことですか?』と真っ先に出す対抗心。改めて話をしても、パート1から照子の"基本"っていうものは何も変わってないかな(笑)」
――奈緒子にとって"小姑"ではない?
 「でもセリフの中に、照子のことを小姑って書いてあるから...。小姑でもあるのかもしれない(笑)。役割としてね」

――烏丸さんが人をイビるような役というのは印象にありませんが、ご自身、新鮮ではないですか?
 「誰かをイビるなんて性分に合わないから、最初に照子役の話が来たきビックリしたのを今でも覚えてますよ(笑)」
――改めて、これまでのシリーズを振り返ってもらえますか?
 「役柄がこれまでにないものだったから、パート1のときは冒険として、やることなすことすべて新鮮でしたね。コメディー調の演技もどうすればいいのか分からなかったし、そもそもスタジオメインで撮る作品もあまり経験がなかったので、まあ、慣れなくて(笑)。いろんなことを学び、吸収し、やっと掴めたかなって頃に撮影が終わっちゃったんですよ。本当に当時は、考える暇がないってすごいな、と思いましたね(笑)。パート1が終わったとき、私の中に新たな可能性というものを感じましたけど、本当に亡くなった(小林)すすむさんに感謝しています。コメディータッチの作品に戸惑っていた私のいろんな面をすすむさんが引き出してくれたので。私にとってすすむさんはまさに"相方"でしたね」

――存在の大きさを感じていますか?
 「今回、奈緒子さんや大女将がそのシーンの終わりに結構、変顔というか、顔の表情を豊かに演技をしているんですけど、パート2までは私とすすむさんがそういうことをしていて、お株を奪われてしまったな、と(笑)。今回はコミカルなところは主演の二人に任せ、私はあえてそういう表情を封印しています」
――コメディーテイストの大変さとは?
 「どこまでもやれてしまう怖さ。ついリアクションが過剰になってしまうので、そこは意識的にセーブしています。自分がこれは面白い、と思ってはしゃいで演じても、そういう気持ちが見ている人に伝わったら、冷めてしまう可能性もあるんですよ。そこがコメディーの難しさだと思う。おさえることの大切さ。前は小林さんに引っ張ってもらっていましたが、今回は自分でもちゃんと意識するようにしてますよ」

――反対にコメディータッチの作品の楽しさとは?
 「バッチリ決まったときかな。自己満足かもしれないけど、ピタッといろんなものが合い、スタッフの誰かが私たちの演技を見て、クスッと笑っていたりすると、『お、決まったな』と思っちゃう(笑)」
――パート3での照子の見どころは?
 「"バカさ加減"でしょ(笑)。そこは変わってない。パート1からずっとね」
――今後、照子にも大きな問題が起きるんですよね。
 「どうなることやら。1話ごとに照子の心境がどんどん変わって、『えー、そうなるの!』って見ている人も驚くかもしれない。お楽しみに(笑)」

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