インタビュー

――これまでも長く続く作品に携わった経験はあったと思いますが、演じる上ではどういうお気持ちですか?
 「最初のシリーズが10年の放送だったそうですが、足掛け4年。これだけ続く作品というのは僕の中でも最長かな...。実はずいぶん前、3年ほど毎週放送されたドラマに出ていたことはありますけど。でも本数で言うなら、"花嫁"だってなかなかのもんですよ(笑)。これだけ長い間、同じ"チーム"で作品を作っていけるというのは得がたい経験だと思ってます」
――今、"チーム"とおっしゃいましたが、やはり一体感はありますか?
 「"家族感"みたいなものは確かにあるけれど、それとはちょっと違うような...。みんなプロですからね。みんな経験を積んでいるから、わきまえるところは誰が何か言わなくても分かっている中で演じている気がします」
――とは言え、孫を演じている若手の皆さんの成長を見ていると思うところはあるのでは?
 「うん、そうなんだよ(笑)。幸(木村真那月さん)はもう中学生だからね。最初は小学生で小さかったのに、ずいぶん大きくなって(笑)」

――核家族化が進む中、なぜ大家族の暮らしを描く「花嫁のれん」が愛されると思いますか?
 「家族の連帯感っていうものが画面から出ているでしょ。そこを楽しんでくれているのかな...。撮影が始まるずいぶん前のことなんだけれど、金沢とか福井とか富山とか、『花嫁のれん』の舞台に近いところで別の作品のロケがあったんですよ。そうしたら、見学していた若い方たちご年配の方まで、ずいぶんと『"花嫁のれん"はまだですか?』と聞かれて、ビックリしました」
――皆さん、ご自分たちのドラマ、と思ってくださっているのでしょうか?
 「京都の近くでもやっぱり若い人から同じようなことを言われたんだけれど、親しんでくれているんでしょうかね。若い人たちが声をかけてくれたのはうれしかったですよ」

――改めて山本さんがこの作品でお好きなところとは?
 「観て下さる方もそうかもしれないけれど、演じていても安心感があるんですよ、『花嫁のれん』は。奈緒子と志乃は言いたいことを言い合っているように見えながら、実は互いに土足で踏み込んではいけない場所をわきまえていて、それでいながらどうすればお互いを助けたり支えたりすることができるのか分かっている。家族だからと言って何でも知ればいい、というものではないし、"親しき仲にも"の節度があるところが私は好きです」
――そういう信頼感を出すためには、演じる皆さんも役同様の連帯感がなければ難しいでしょうか?
 「一朝一夕には出せないでしょうね。『花嫁のれん』だからこそだと思いますよ」

――今回、母屋のシーンが増え、辰夫の人物像もより厚くなった印象を受けます。
 「まず台本の量が増えましたからね(笑)。辰夫と志乃の会話もかなりあるから、セリフを覚えるのに四苦八苦してました(笑)」
――なおかつ第1週はよもやの辰夫の不倫騒動までありました。
 「まさか昔付き合った女性が出てくるなんて。"え!?"でしたよ。50年も前の彼女が訪ねてくるなんて、私も経験ありませんから(笑)。制作陣も楽しんでいるな、と思いましたね(笑)」

――家庭人としての辰夫の場面が増えましたよね。
 「一方で、料理人としての姿が減りましたよね。『この人、本当に料理人なのか』なんて思ってますよ(笑)。ただ、今回は『かぐらや』だけの話でなく、母屋も今まで以上に大切なんだ、とは実感してます」
――パート3ということで、山本さんの素の部分もかなり辰夫に反映されましたか?
 「それが俳優の宿命なんですよ。必ず、演じる本人の生活やものの考えっていうのが長く演じれば演じるほど、いくら隠しても出てくるんだろう、と思ってます。そこは防御しようがなく、ありのままに台本に沿って演じればいいのかなって思ってます」

――ところで山本さんは"ホームドラマ"についてどんな考えを持っていますか?
 「今、連ドラっていうと刑事モノ、医療モノが多いでしょ。そうじゃないものを観たい、と思っている方がいるのかな。だからこそ、『花嫁のれん』もこうして第3シリーズが放送されているわけですから。最近は昼でもいろんなジャンルの作品が放送されているようだし、そういう意味でもこの作品は貴重な存在なのかな。まあ、羽田くんと野際さんのコンビ感が心地良いし、二人の人柄が画面からにじみ出ているから、続くものなら今度も...と思いますね」
――長く続く作品というのは、演じている方にとっても今後が気になったりしますか?
 「それはありますよ。特にこの作品は孫たちが出ているでしょ。『翔太は大学がああだったから...』とか『幸が女将修行!? じゃあ次は...」とかね。もちろん奈緒子と志乃の関係も辰夫としてはいろいろ思うところがあるし、そう考えるとまだまだネタはいっぱいありますな(笑)」

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