第3回 「接見」
面会室の中で、アクリル板を挟んで弁護士と依頼人が向かい合う…弁護士が登場するドラマでは必ず出てくるシーンだと思います。
「家族の旅路」でも、浅利弁護士(滝沢秀明さん)が死刑囚の柳瀬(遠藤憲一さん)に面会する場面が描かれますね。現実もこんな感じなのか…ちょっと気になりませんか?
ということで今回は、「接見」についてお話しします。
一口に接見といっても、弁護士がする接見(弁護士接見)と一般の方がする面会(一般面会)とあるのですが、ここでは主に弁護士接見について、それも警察に被疑者が留置されているケースに絞ってご説明します。

一般の方だと、時間も制限された上、警察官の立ち合いが必要などいろいろ制約があるのですが、弁護士の場合はそういうことはありません。
弁護士は、弁護士バッジか弁護士の身分証明書を見せるだけで接見ができます。どんな時間帯でも大丈夫です。予約不要、深夜の飛び込みでもOK。警察がこの接見を邪魔しようとすれば、警察側の違法行為になってしまいます。
もっとも、実際に深夜に接見に行くと、警察官は寝ている被疑者を起こすことになるため、かなり嫌な顔をします。被疑者自身も寝ているところを起こされ、寝ぼけ眼で接見室に入ってきます。ですので、できるだけ午後9時前には行くか、間に合わない時は警察に被疑者をあらかじめ起こしておくよう頼んでおいたりします。
そうこうして、ドラマでおなじみのアクリル板で中央を仕切られた面会室で、弁護士は被疑者や被告人と対面するわけです。
ちょっとだけ、リアルな話をご紹介しましょう。
留置されている被疑者は何が一番「いやだ」と感じていると思いますか?
トップ5は以下の通り(※あくまで主観に基づく順位です)。
第5位「汚い!」
警察署は古い建物も多いので。弁護士に言われてもなんともなりませんが…。
第4位「寒い!(または「暑い!」)
留置場はあまりエアコンを自由につけたり消したりできないそうです。
第3位「食事がまずい!」
「臭いめし」というくらいなので。その筋では「○○署の食事はウマい」といった噂も出回るらしいです。
第2位「留置場の警察官とうまが合わない!」
人間ですから、そういうこともあるようです。
第1位「ヒマだ!!」
やはりこれが一番多いです。逮捕直後は取り調べが続いても、起訴までの間に数日間ほっておかれることもあり、何もすることがないのに耐えかねて弁護士との接見を希望する、ということもしばしばあります。どういう形であっても、「接見」なんてものには一生無縁で過ごすに越したことはないですね。


