夏のレジャーに野外でバーベキューやキャンプを楽しむ人もたくさんいると思います。そんな中、レジャー用品が爆発や引火する事故も起きているんです。大きな事故にもつながりかねないレジャー用品、その危険性と注意点とは…?

■夏場に増えるアウトドアの事故

 みなさんもキャンプやバーベキューでよく使うカートリッジ型のガスボンベ。風にあおられ転倒し、付近のものに燃え広がってしまうということも…。

 実験映像には、そのまま時間がたって、大きな音と炎とともに爆発し、ボンベごと粉々に吹き飛んでしまう様子が…。身近なレジャー用品が一つ間違うと大きな事故につながる可能性もあるんです。

(記者リポート)
「夏休み本番ということもあり多くのバーベキューを楽しむ方々で賑わっています」

 名古屋市西区の庄内緑地。みなさん勢いよくお肉や野菜を焼いていますが、事故にあわないように注意をしているかどうか聞いてみると…?

男性:
「(ミネラルウォーターを手に取って)一応この水買ってきたのは何かあったときのため。火事用…」

Q.バーベキューで注意していることは?
別の男性:
「日焼けしないこと(笑)」

さらに別の男性:
「特にないですね。大人なんでね」

 みなさんバーベキューに夢中で事故が起こるなんて夢にも思っていない様子。

 製品の事故などを調査する機関「Nite」によりますと、屋外でレジャーを楽しむ機会が多い夏場に事故が集中する傾向に。やけどで重傷になった例も報告されています。

■正しく使わないと大事故に…

 炭に早く火をつけようとガスコンロに炭をのせるなんて、横着なことは絶対にしてはいけません。実験映像を見てみると、点火してしばらくすると高温になった炭の熱がガスボンベに移り、爆発。

 ガスボンベは使い方を誤ると大きな爆発につながってしまうので、取扱いには細心の注意が必要です。

 別のケースでは、この夏、猛暑で使っている人も多いと思われる冷却スプレーや虫除けスプレー。使った直後に、たばこなど火の気を近づけると、スプレーに含まれる可燃性の成分の影響で、一気に炎が燃え広がります。

 テントや車の中など狭い空間では特に注意が必要。大きなやけどにつながることもあるので気を付けてください。

 こうしたアウトドア製品の危険性について、Nite中部支所の酒井健一課長は…。

Nite中部支所・酒井健一課長:
「やはり誤った使い方で事故に遭うケースが多いですので、取扱説明書を十分読んで正しい使い方で使ってほしいです。アウトドア製品は火を直接使う製品が多いのでくれぐれも安全に使ってほしいです」

 誤った使い方をすると大事故につながることもあるレジャー用品。正しく安全に使って楽しんでください。

■事故原因の27%は「誤使用や不注意」

 バーベキューで多くの人が使う炭、水分を含み湿気を帯びた炭を使うとはじけることがあります。古かったり保存状態が適切でなかったりした炭は使わないようにして下さい。

 2つのガスコンロを並べて使い、その上に大きな鉄板を乗せて加熱もNG。そのまま時間がたつとガスボンベに引火して爆発。ボンベの真上に大きな鉄板があるため、熱を逃がすことができないためです。

 そもそもコンロを2台連結して使うことは取扱説明書などでもしないように書かれていますが、覆うような大きなものは乗せないでください。

 Niteが一昨年までの5年間に起きた事故の原因を調査したところ、37%が原因不明でしたが、27%は「誤使用や不注意」が原因であることが分かっています。正しく使うことを心がけてください。

※実験資料はNite(独立行政法人・製品評価技術基盤機構)提供。詳しい情報はNiteのホームページ(https://www.nite.go.jp/)をご覧ください。