9月の台風24号で、愛知県豊橋市の一部の住宅などが浸水する被害を受けました。その原因が、『近くを流れる豊川の水門が閉められなかったこと』だとわかりました。

 住民からは市の対応に不満の声が上がっています。

 タイヤが見えない高さまで水に浸かったトラックや乗用車…。9月末、豊橋市大村町で起きた台風24号の被害をとらえた写真です。

写真を撮影した男性:
「一面、ずっと一面。一瞬、何これは、と思った」

 住宅数軒が浸水するなど被害を受けたこの地域、その原因をめぐってある問題が浮上しています。

 9月、日本列島を直撃した台風24号。豊橋市だけでなく東海地方でも広い範囲で強い風や雨が続きました。

 そんな中…。

(記者リポート)
「台風の際は閉められるはずの水門が台風24号では開いたままになっており、水門の先にある地域一帯が水に浸かったということです」

 この水門、普段は住宅地の方向から農業用水を排水するために使われています。台風や豪雨などで近くを流れる豊川が増水すると、水が住宅地に流れ込むのを防ぐため、水門が閉められることになっています。

 しかし、台風24号では、この水門が開いたままだったため住宅地に水が流れ込み、浸水の被害を受けてしまいました。

 豊橋市などによると、豊川が増水し洪水の危険性が出てくると、国土交通省が市に対して放水路を開放する時間を連絡します。市はさらに下流で水門の管理を委託している地域の自治会に伝えることになっていて、これまではこの連絡を受けると農業用水の水門は閉められていました。つまり、“市から自治会への連絡”が実質的に“水門を閉じる指示”になっていました。

 台風24号が接近していた9月30日午後6時半ごろ、国交省は豊橋市に「1日午前0時ごろから明け方にかけて放水路を開放する可能性がある」と連絡。国交省はその後、午後10時半ごろになって「放水路を開放する予定時刻が午前0時20分ごろになった」と市に連絡しましたが…。

自治会の役員:
「自治会としても市から連絡がないと動けないものですから」
Q.市からの連絡は?
「なかったです」

 放水路を開放する予定時刻が自治会側に伝わらなかったため、水門が閉鎖されなかったといいます。

 市からの連絡が自治会にあれば防げたかもしれない今回の被害。豊橋市は、放水路開放の予定時刻が伝わらなかった原因を調べています。


※浸水時の写真は視聴者提供