多くの人が使っているインターネットのショッピングサイトに関するトラブル。
欲しかった商品が簡単に手に入るなど便利な一方で、「代金を振り込んでも商品が届かない」といったいわゆる「詐欺サイト」の被害が後を絶ちません。
巧妙な詐欺サイトを見抜くには…?
■2人の詐欺被害者が語る無念や怒り
被害にあった女性(40代):
「ネットで買い物をしようと思ったんですけど…」
携帯電話を手に話すのは、長野県に住む40代の主婦。
被害にあった女性(40代):
「これが洋服を買ったサイトなんです…ワンピースです」
10月、以前から欲しかったブランドのワンピースをインターネットで見つけ、注文しましたが…。

女性:
「完了メールと共に来たのが、個人名義の振込先だったんですね。そこで、ちらっとあれっ?とも思ったんですが、とにかくものすごく精巧に出来ているホームページで、こんなすてきなホームページを作るところが騙すはずないっていうふうに思って」
注文後、サイトの管理者から送られてきたメールには、振込先として個人名義の口座が指定されていました。
女性は、なぜ個人名義?といぶかりながらも、およそ3万5000円を振り込みました。しかしその後、商品は届いていません…。
女性:
「銀行に直接電話して、この口座は残念ながら悪用されている口座だったので凍結しました、ということで、詐欺が分かりました」
記者:「警察に相談は行きましたか?」
女性:
「まず精神的に落ち込みますよね、もう取り返してやろうっていうエネルギーは湧かないです。まさか自分がっていうところだったので、そんな額はひどい額ではなかったんですけど、何かへこみますね」
靴やバッグ、アクセサリーなどの画像が並ぶ、一見よくある普通のショッピングサイト。よく見ると、ショップ名の上には、「見慣れない漢字」が使われています。

愛知県警によると、サイバー犯罪に関する相談件数は年々増加していて、去年はおよそ7000件。中でも、詐欺・悪質商法に関する相談が半数以上を占めています。男女関わらず年齢層も幅広いのが特徴です。
一方、こんな手口も…。
被害にあった男性(40代):
「ずっと探してて、あった!と思った商品だったので」
愛知県内の40代の男性、好きなギタリストが着ているブランドTシャツを探していたところ、定価の4割引きの2600円で販売されているのを見つけました。
男性:
「振り込みとクレジットカード、コンビニの支払いがあったんですけど、注文する時に、スマホの画面が横にちょっと動いたんです、ちょっとおかしいかもしれないなと思って、こちら側の情報がなるべく出ないような形でやろうと思って、コンビニ支払いに切り替えました」
ロゴの字体や、カラー、それにキャンペーン広告のレイアウトなど、大手ショッピングサイトとそっくり。男性は、多少の違和感はあったといいますが、購入することを決めてコンビニで支払いました。
それからおよそ4カ月、Tシャツは届いていません。
男性:
「僕としては、被害額はそんなに大きくないんですけど、どうしても着たかった服なんで。好きなギタリストの着ている服で詐欺を働いたというのが許せない」

■詐欺サイトを見分ける2つのポイント
欲しい限定商品がお値打ちに手に入る。消費者の心理を巧みについた悪質な詐欺サイトの手口。警察も積極的に取締まっているものの、なかなか検挙に至りません。
捜査を始めても海外のサーバーにいきつくことが多く、照会をしても回答を得られないなど、捜査が困難になる場合が多いといいます。
では、私たちが詐欺サイトを見分けるにはどうしたらいいのでしょうか。
まず、1つ目のポイントは、「サイトの文字」を見ます。
愛知県警サイバー犯罪対策課・安井伸之警部:
「サイトの中で使われているフォント(字体)が日本語と若干違うな、こうしたことに気がついていただく」
サイトのショップ名の上にある見慣れない漢字…。中国で使われている簡体字や、おかしな日本語で表記されている場合は詐欺サイトの疑いが強いといいます。
2つ目のポイントは…。
愛知県警・安井警部:
「問い合わせ窓口で大阪の06から始まった番号だと思いますが、住所がどこにも書かれていない、お問い合わせと書かれてありながら、メールアドレスもない。もし仮にトラブルにあった時に連絡のしようがないということになりますので、注意が必要になります」

さらに、警察が捜査でも活用する見極めのポイント、それはURL=ホームページのアドレスにあります。
Googleなどで欲しい商品を入力すると検索結果が一覧で表示されます。気になるショッピングサイトをクリックし、問題なく接続されたように見えても、検索画面のURLと接続したサイトのURLが変わっているケースがあります。
これは、知らない間に、詐欺サイトに誘導されている恐れがあります。
愛知県警情報技術戦略課・広潤一警部:
「ほとんどの人は検索サイトの結果というのは見ないですから、転送されていることに気付かないということで、知らない間に詐欺のサイトに引き込まれているのが現状です」
愛知県警はこの手口に着目し、詐欺サイトを見つけるための「撲滅くん」というツールを民間と共同開発。去年5月の運用開始からすでに1000件以上の詐欺サイトをあぶりだしています。
愛知県警・広警部:
「少しおかしなところがあるという場合は、一度立ち止まっていただいて、本当にこれは詐欺にあわないサイトなんだろうか、ちゃんとした会社のサイトなんだろうかということを調べて頂くことで、被害を未然に防げるのではないかと思います」
騙されてからでは遅い詐欺サイト。よく確認をして慎重に利用することが重要です。

