岐阜市の北部にある畜産センター公園。まだ暗い早朝、屋内から豚の鳴き声が響く中、外には白い防護服を来た職員の姿が…。
(記者リポート)
「午前5時過ぎです。こちら岐阜市畜産センターで飼育されている豚からも豚コレラの感染が確認されたことを受け、現在殺処分が進められています」

行われたのは、豚の殺処分。
15日午後、「体調不良の豚がいる」と岐阜市の獣医師から連絡を受け、岐阜県が食肉用の豚2頭を検査したところ、豚コレラへの感染が確認されました。
畜産センター公園では、ほかにも子豚21頭を飼育していたため、全頭殺処分することになったのです。
岐阜市で豚コレラといえば…。
(記者リポート・9月10日)
「豚コレラに感染した豚が見つかった養豚場です。24時間以内に殺処分をするということで、職員たちが防護服を着て慌ただしく作業しています」
今年9月、畜産センター公園から8キロほど離れた養豚場で、日本国内では26年ぶりに豚コレラの感染を確認。殺処分や豚の移動制限をするなど、感染の拡大を防ぐ措置がとられ、他の養豚場には広がっていませんでした。
しかし…。
(杉山キャスターリポート)
「こちらの畜産センター公園では豚コレラに感染した野生のイノシシが2頭見つかるなど、周辺の山で25頭もの感染したイノシシが見つかっていました」
豚コレラは、野生のイノシシの間で感染が拡大。9月以降、敷地内で見つかった2頭を含め、畜産センター公園の半径3キロ圏内ではこれまでに合わせて25頭、感染した野生のイノシシが見つかっています。
飼育している豚への感染を防ぐため、畜産センター公園は豚舎の周りをイノシシの侵入を防ぐ電気柵で囲うなど対策を施していましたが、感染は防げませんでした。
(杉山キャスターリポート)
「この先が市民の憩いの場ともなっていまして、動物たちとも触れ合えます岐阜市の畜産センター公園ですが、今日は閉園となっていまして、豚コレラ感染拡大を防ぐため多くの関係者が集まり、石灰もまかれています」

豚のほかに、ポニーやヒツジなども飼育している畜産センター公園。市民にとっては動物と触れ合える憩いの場ですが、感染確認を受け、急きょ休園になりました。
(近所に住む人は…)
「ちょっと怖いなぁと思いました」
一部の地域では狩猟の解禁を見送るなど、様々な取り組みをしてきた中で起きた、今回の豚コレラ感染。岐阜県の古田知事は…。

古田肇岐阜県知事:
「危惧していた”振り出しに戻る”という事例が生じたわけでありまして、大変残念な結果になったと言わざるを得ないわけであります。これまで野生のイノシシ対策、農場の防疫対策ということで、全力を尽くしてきたわけでありますけれども、こういう結果になったということで、これに対して早急に手を打っていかなければいけない」
早速、畜産センター公園から半径10キロ圏内にある8つの養豚場からの出荷制限など、豚コレラの拡大を防ぐための措置が講じられました。
感染した野生のイノシシが次々と見つかり、収まる見通しがつかない豚コレラ。関係者の不安や心配は、まだ続きます。