“ドラゴンズ伝説の二遊間”のアライバコンビ。現ドラゴンズ2軍コーチの荒木雅博さんと、プロ野球解説者の井端弘和さんが、期待のルーキー・根尾昂選手を徹底分析!

 果たして即1軍で通用するのか…、そして見えてきた根尾選手の意外な弱点とは…?

■井端さん「20年やっても“あの手”にならなかった…」

 右ふくらはぎの肉離れの影響で、2軍で調整中の根尾選手。そんな根尾選手を今回チェックするのは、侍ジャパンのコーチでプロ野球解説者の井端さん。

 現役時代は根尾選手と同じショートで、ゴールデングラブ賞を7回受賞。打っては、巧みなバットコントロール。攻守にわたってドラゴンズの黄金期を支えました。

 井端さんがまずチェックしたのは、根尾選手のバッティング。

井端さん:
「1球1球見てて、『あ、さっきと違うな』っていうところがない。ずっと同じ形で振っているというのは、なかなか新人ではできないことかなと。それだけ(今まで)しっかりバットを振ってる証拠だと思います」

 井端さんによると、1球1球同じフォームで打ち続けるのは難しいこと。すでに、自分のフォームが固まっていることを評価しました。

 さらに、根尾選手が手にテーピングしていることに気づいた井端さん。

井端さん:
「テーピングしていて、(手のひらが)ベロベロだった。プロ20年くらいやってもあの手にはならなかったから、自分は。もしかしたら自分より振ってきたのかな…」

 手のマメは、バットを振り込んできた証拠。野球に対して真面目に取り組む根尾選手が、垣間見えました。

■荒木コーチに“コーチ”

 そんな井端さんのもとに駆け寄ったのは、荒木コーチ。取材をしようとしたところ…。

井端さん:
「荒木選手にお話を聞きたいと思います」

荒木コーチ:
「いや、選手じゃない!コーチ、コーチ!(笑)」

 長年、アライバコンビを組んできた、荒木2軍コーチ。就任1年目で悩みもあるようで…。

荒木コーチ:
「自分がこうやってやろうと思っても、なかなか動いてくれないとか、自分の思いが伝わらないことが多いので…」

井端さん:
「教えるっていう概念を外したほうがいいと思うよ。選手の意見を聞いて、『そうだね』と選手のやり方も認めつつ、『こういうやり方もあって選ぶのは自分だよ』という感じで。比較的選手も納得する」

荒木コーチ:
「これは1つ、いい勉強になりました」

 コーチとして先輩の井端さんが、荒木コーチにアドバイス。

■アライバが指摘する根尾選手の“弱点”

 そして話題は“本題”の根尾選手に…。

 高校では、ピッチャーとショートの二刀流。しかしプロでは、ショート1本でいくことを決めた根尾選手。果たして根尾選手は一軍で通用するのか…、“アライバコンビ”に、根尾選手の守備について分析してもらいました!

荒木コーチ:
「体にパワーがあって、バランスもいい。運動神経も持っていると思います。レベル的にはバランスのとり方とか身体能力がもう数段上だと思います」

井端さん:
「やっぱりフットワークがいいですよね。スキーやってたというのもあって、バランス感覚は他の選手より優れていると思います」

 と、ショートを守る上で、打球への一歩目の速さや、打球に対する入り方は、すでに一流と評価。

 しかし井端さんの目には“弱点”も見えていました。

井端さん:
「フットワークが良すぎるあまり、いくつか欠点につながるところもあるので。ボールが来る前にちょっと体が左側に流れるっていう点がある。そうすると次に送球するまでに、時間を費やしてしまう」

 さらに、一見スムーズに見えるグラブさばきにも…。

井端さん:
「(あと)グラブを出すのが遅いかなと。捕ってワンステップで投げられるところを、グラブ出すのが遅いことによって、ツーステップになってしまうので。極力準備を早くすると、それだけでも激変してくるのかなと思います」

 そして根尾選手と言えば、“真面目すぎる性格”もポイント。荒木コーチはここにも弱点があるといいます。

荒木コーチ:
「プレーでもそうなんですけど“考えすぎる”。1つ言ったことを、すごく深く考えてしまうばっかりに、動きがおかしくなることが多々あります。こちらが遠いところから見ていて、他の選手に教えていても、彼は『自分のこと言ってるんじゃないか』と気にするところがあるので。何とかうまくなりたいという気持ちは強いんでしょうけど、もうちょっと“天然ちゃん”でいてほしいなと」

井端さん:
「俺らみたいな(笑) いいことしか耳に入ってこない」

荒木コーチ:
「そういう風になってくれると、もうちょっといいのかなと思います」

“天然”だったからこそ成功したと自ら振り返る『アライバコンビ』…。

■「ショート」めぐる熾烈な争いは…

 最後に、気になるショートのポジション争い。ここ2年、レギュラーの京田選手や、守備のスペシャリスト・堂上選手がその座を狙っています。

井端さん:
「内野のポジション争い、一軍も踏まえてかなり熾烈になってきてるけど…」

荒木コーチ:
「ここ2年くらい京田がすごくしっかり先頭にも立ってやってるので、今年1年でしっかりしたものができるといいなと思って」

 現役時代、10年以上レギュラーを守り続けた井端さんは、根尾選手について、じっくり経験を積むことが大切だと考えています。

井端さん:
「(自分は)ショートを何年やってきても、やっとショートらしくなったっていうのは、10年近くかかったのかなと思いますので。高校の時はほぼピッチャー、投げない時にショートくらいですから。ショート1年目のつもりだと思ってますので。時間はかかると思いますけど、1つ1つクリアしていけば、必ず“球界を代表するショート”になれる逸材であるのは間違いないです。身体能力が高いのは、誰もが認めているところだと思うので、荒木コーチが教えていけば、息の長い野球選手になると思います」

荒木コーチ:
「それを目指してほしいなと思います」