今、“空いた時間”を活用して副業をする人が増えています。そこに目をつけたのが、「得意を売り買いココナラ!」のCMで話題の『ココナラ』。

 結婚式の動画作成など「自分の得意なこと」を売ったり、それを買ったりできるWebサービスですが、一体どんな人が使っているのでしょうか。「得意」を売る人、そして買う人を取材しました。

■人気のWebサービス『ココナラ』…上手な使い方は?

『ココナラ』。誰でも得意なことを売り買いできるWebサービスで、作曲や動画制作などこれまでに300万件以上の取引が成立しています。

 名古屋市内に住むmimieさん(28)は、ココナラで、ある「得意なもの」を出品中。ご自宅にお邪魔すると、築28年、3LDKの賃貸マンションに旦那さんとふたり暮らし。

mimieさん:
「普段はこっちの部屋で…。この部屋ですね。このパソコンでやってます」

 実はmimieさん、本業は名古屋の印刷会社でデザイナー。ココナラで売っているのは…?

mimieさん:
「一件2000円で、もう地図だけに絞ってやってて…」

 わかりやすくデザインされた地図です。得意なデザインを生かし、飲食店のチラシなどで使う地図を1件あたり2000円で出品しています。

mimieさん:
「チラシとかになっちゃうと時間がかかるし…。自分の想像と相手の想像が違うんで、時間とストレスもたまるなと思って、正解が分かってる地図だけに絞ってやってますね」

 ココナラをうまく活用しているmimieさん。その秘訣は2人の暮らし方にありました。

mimieさんの夫:
「きょうはシチューですね。(Q.料理は旦那さんがされることが多いんですか?)そうですね。一応、毎日やっています」

 この日、キッチンに立っていたのは旦那さん。夫婦ともに仕事は定時で終わるため、旦那さんと家事を分担。空いた時間にココナラを利用していました。

夫:
「一応、嫁からの指示をもらって僕が動くっていうパターン。その間にココナラやったり、他事やってもらったりしてます」

■『ココナラ』使い始めて2年のmimieさん…気になる収入は?

 本業の給料は夫婦あわせて手取りで36万円ほど。しかし、奨学金の返済や家賃、光熱費などを差し引くと貯蓄に回す余裕はあまりなかったといいますが…?

Q.正直なところ、もうかってますか?

mimieさん:
「まあまあ、まあまあ…(笑) (ココナラでの収入は)月だいたい5万円くらいですね。お小遣いとしてはめっちゃうれしいお値段です」

 なんと、地図のデザインで毎月5万円の稼ぎが!2017年から始めたココナラで、これまでにのべ700件の地図を販売。売り上げはあわせて100万円になりました。

夫:
「ぜんぜん、そういうことがやれるスキルがあるなら、『稼いでらっしゃい』みたいな…」

 2人は「得意を売った」お金で少しずつ貯金をして将来に備えているそうです。

■買った人も嬉しい!その理由…

 一方、喜んでいるのは「得意を売っている人」だけではありません。

整体師の宮田さん:
「整体院、新しくできましたんでチラシを…」

 整体師の宮田さん(42)。8月、東京・豊島区に整体院を開業し、近所に宣伝のチラシを配っていますが、そのチラシの地図をココナラでmimieさんから購入しました。

宮田さん:
「イメージ通りに仕上がってきてくれて、スムーズにしかも早かったんですよね。1日で作ってくれたんで、すごく助かりました」

 七畳一間、ひとりで整体院を営む宮田さん。業者の半額以下で地図のデザインを用意できたといいます。

宮田さん:
「ご近所さんに知ってもらうために作ったチラシで。やっぱり場所って大事なんで、そのためにわかりやすい地図を…と思ってお願いしました。めちゃめちゃ安く作ってくれたんで助かりました」

 得意を売る人にも買う人にも喜ばれているココナラ。サービスを始めて7年で利用者は、100万人を突破しました。

■『ココナラ』人気の理由は国が推進する「副業推進」

 ココナラが人気を集めている背景には…「副業」をしやすい会社が増えてきたことがあるといいます。

ココナラの担当者:
「厚労省がモデル就業規則を改定して、基本的に副業OKって国が推奨してるような時代に入ってきてますので…」

 去年1月、「副業の原則禁止」をモデルケースにしていた厚生労働省が副業を推進する方針を示しました。最近では、みずほフィナンシャルグループが今年度中に副業を解禁する方針など、大手企業も続々と副業OKに…。

ココナラの担当者:
「皆さんに『なんでココナラを始めましたか?』と聞くと、稼ぎたい・スキルを磨きたい・役に立ちたい、この3つなんですよね。『スキルを磨きつつ人に喜ばれたい』っていう方が、どんどん増えるといいなぁと思っています」