新型コロナウイルス感染予防のため始まった学校の臨時休校。
悩んでいる親も多くいますが、実際に各家庭ではどうしているのか、取材しました。

 まず、名古屋の街でお父さんお母さんに聞きました。お子さんの休校中の過ごし方、何か「対策」は考えていますか?

娘を持つ父親:
「考えてないです」

息子2人の母親:
「急すぎて何にも考えていないです」


 最も多かったのは、「特に考えていない」という声。

娘を持つ母親:
「急に来週からとか言われても、仕事を休めないし…」

娘を持つ父親:
「うーん…。まだよく分かっていませんけど」


 特に心配なのが…。

息子2人の母親:
「ゲーム中心になっちゃうと思うんですけど、でもずっと家でじっとはしていられないので…」


 ゲームばかりで怠けてしまうのではと不安のよう。そこで…。

男の子の母親:
「お勉強をやったら、ご褒美にゲームの遊び時間を延ばします」

娘を持つ父親:
「漫画とかじゃなくて、字をかいて読む小説的な本で、ちょっと頭を使ってもらおうと思っています」


 他にも、算数や漢字ドリルを揃えるオセロなど頭を使うボードゲームを買う、ゲームで遊ばないよう会社にゲーム機を持っていくなど、怠けないように、あの手この手で皆さん対策を検討中。

 一方、公園で遊んでいた親子は…。

父親:
「暇しないように公園で遊べるような、新しいボールだとか砂場で遊べるようなものをいくつか買ってきました」


 ずっと家にいると気分が落ち込んでしまうのではと、お父さんが屋外で遊べるボールを買ったそうです。勉強面での心配がありつつ、遊びや気晴らしもさせたいという親心もあるようです。

 そんな中、お母さんたちの心配は…?

母親:「昼ご飯は毎日準備をしていって…」

 やはり食事のこと。給食がなくなるため、昼ごはんの用意が必要になります。

母親:
「たくさん作って日持ちするものとか、買いだめはします」


 冷凍食品を買い込み、備える人もいました。

 さて、2日の休校初日、実際に子供たちはどう過ごしたのでしょうか。愛知県内の共働き家庭の1日に密着しました。

 岡崎市のある一家。父親、母親に、小学3年生の姉と、1年生の弟の4人家族です。

 母親はこの日も仕事がありましたが、休校初日ということで、急遽午後からの出勤に変更しました。

母親:
「今まで昼ご飯なかった分、考えなくてよかったですけど、給食で栄養がとれると思っていたので自分で昼考えると思うとちょっと一工夫がいるかなと思います」


 やはり悩みの種は「食事」。火の取り扱いも不安のようです。

母親:
「上の子が3年生なのでご家庭によっては火を使ったり、電子レンジ使ったりしていると思うんですけど、私は心配なので(子供に)火は使わせていません」


 さらに、勉強面での心配も。そこで母親が考えたのが子どもたちと一緒に作った、オリジナルの時間割です。

図工ではレゴの組み立てなど、なるべく楽しい内容になるよう工夫しました。

母親:
「ストレスがないのが一番なので、学校に行っているからこうしようはやりすぎないようにしようと思います」


 勉強はしてほしいけど精神的な負担をかけさせたくない、すると姉が早速勉強を始めます。

 時間割には9時半からのスタートとありますが、30分前倒しして、算数のプリントをスイスイと解いていきます。

姉:
「まだ25分くらい時間あるけど、暇だからやってる」

母親:
「いい感じ、得点100点でございます。すばらしい!」


 母親は一安心ですが、弟は部屋でゲーム。

母親:
「おいでー」


 自習開始の時間になり、呼ばれましたが…。

母親:
「これを一緒にやりましょ」

弟:「ヤダー!」


 まだ小学1年生。勉強に集中するには難しい年齢です。

そして、いよいよ母親が出勤時間に。

母親:
「(記者に対して)お姉ちゃんが一緒についていてくれるので、最初はさみしいかもしれないですけど、楽しく過ごしてほしいなと思います」


 写真教室でカメラの撮影講師をしている母親。この日は個別指導です。

 比較的時間の融通がきく仕事ではありますが、1日丸ごと休むわけにはいきません。

 午前11時45分、母親が出かけた家では“図工”の時間割ですが、2人でお昼ご飯。

そして午後1時…お菓子を床に広げてしまっています。

“読書”の時間は、2人で仲良く揃ってゲームの時間に。

 午後4時、母親は自宅に電話を入れて急いで帰宅します。

母親:
「(子供が)お掃除をしていて帰ったときにきれいになっているといいなと計画している時は言っていたんですけど、まあ遊んじゃいますよね」


そして、家に到着すると…
母親:「ただいまー」

きょうだい:「おかえりー!」

母親:
「なんかパーティーの跡がいっぱい…プリントはやったの?」

弟:「してない!」


 まだ小学生、計画的に過ごすのはやはり難しかったようです。

課題は色々と見つかりましたが、それでも2人だけで泣かずに楽しくすごせたことに安心したという母親。

母親:
「時間の過ごし方とか子供たちの心のケアとか(子どもも)いつもと違うというのは感じていると思うので、そのあたりを上手く楽しく過ごせるようにしたいなと思います」