東海地方の小・中学校、高校の多くが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2日から臨時休校となりました。

 突然の休校に困ったのが共働きの家庭、戸惑う家族を取材しました。

 静まり返った学校。

(リポート)
「名古屋市北区の飯田小学校です。校門は閉じられていて『臨時休業』の貼り紙がしてあります」

 名古屋市では、2日からすべての市立学校が臨時休校になりました。

鬼頭昌也校長:
「ここは5年3組の教室ですけども、いつもなら子供たちの笑顔が溢れるところですけども、きょうは…」

 今日は子供の姿はありませんが、名古屋市では3日から24日まで共働きやひとり親家庭など、日中に親が見守れない児童を市内の小学校で受け入れることが決まっています。

 感染防止のため原則、預かる児童は教室1室に10人までとされていますが…。

鬼頭校長:
「何人のお子さんがみえるか分からない。(全校児童の)半分以上の子がきたら、教室足りるのかなということ」


 新型コロナ対策とは分かっていながらも、突然の休校に戸惑うのが、共働き家庭です。

 安城市のある家庭。共働きの両親と、小学4年の男の子(10)、それに、こども園・年長の女の子(6)の4人家族です。

 男の子が通う小学校は2日から休校。しかし、両親は急に仕事は休めず、1人で過ごすことになりました。

母親:
「互いに休める環境かっといったら、そういうわけにはいかないので、難しいよね」

男の子:「うん…」

 愛知県は1日、休校中も学校を開放し、共働き家庭などの児童を受け入れるよう、各自治体に要請。

しかし安城市では、2日からの受け入れは行われませんでした。

母親:
「学校側もバタバタされてるのも十分分かりますし。うちみたいに共働きもいたりですとか、シングルの方もいらっしゃると思うので」

父親:
「行ってきまーす」

母親:
「鍵しめといてよー」

 両親と妹がいつも通りに自宅を出ると、いよいよ残された男の子の「いつもと違う」1日が始まります。

 休校中は特に宿題なども出されていないため、男の子が家族と話し合って自分で考え、「勉強の計画」を立てたといいます。

 休校にならなければ習うはずだった理科の実験を、一人でやってみることに。

男の子:
「やった!実験成功」


 楽しそうにも見えますが、母親が事前に作って冷蔵庫に入れてくれたカレーを一人で食べるお昼には…。

男の子:
「いつもみんなでワイワイガヤガヤ食べているから、ちょっとさみしい…。友達と遊んだり、普通に授業したいです」


Q.授業ないけど学校に来ていいよって言われたら行く?
男の子:「行く」


 両親も急には仕事を休めず、子供が1人、自宅で学校の再開を待ち望んでいます。

 一方で…。

(リポート)
「高校の卒業式では、マスクをつけてアルコール除菌をしたうえで、体育館に入っていく保護者の姿が見られます」

名古屋市立の14のすべての高校で、2日予定通り行われた卒業式。

<開式前会場アナウンス>
「新型コロナウイルス感染症に対し、マスクの着用を推奨しております。よろしくお願いいたします」

 名古屋市昭和区の向陽高校では、感染を防ぐため在校生を式典に参加させないほか、家族の参加を制限。

さらには来賓の挨拶をなくし、式の時間を短縮するなどの対策をとりました。卒業生が校歌を歌うときもマスクは付けたまま。

 一時は中止の可能性もあった卒業式の開催。卒業生は、最後の思い出を写真におさめていました。

男子生徒:
「1年生から3年生まで同じクラスだった子とか、お世話になった先生とかに、卒業式があってちゃんと会えたのでよかったと思います」

女子生徒:
「(卒業式が)ないかもしれないってなった時に、親が一番悲しんいでた。(親は)めっちゃ喜んでいましたよ、やったーって」