収束の兆しが全く見えない新型コロナウイルスですが、飲食店や娯楽施設にも大きな影響を与えています。

 12日、名古屋の商業施設・アスナル金山がリニューアルオープンを迎えましたが、規模を大幅に縮小するなど関係者は複雑な心境だったようです。

(リポート)
「アスナル金山は今日、一部の店舗がリニューアルオープンします。ただ、こちらのステージで予定されていたイベントは軒並み中止となっています」


 名古屋の金山総合駅に隣接する商業施設・アスナル金山。

 10日に15周年を迎え、12日はおめでたいリニューアルオープンの日。

 しかし、担当者は複雑な気分でこの日を迎えました。

名古屋まちづくり公社の担当者:
「大型イベントなどもやって、しっかり賑わいや集客を作っていきたいと思っていました。盛り上げたいという思いはすごくあったものですから、そこの判断は本当につらいですね」


 3月末まで日替わりで予定されていたミュージシャンのライブや、ダンスの公演なども全て中止に…。

それでも、予定通りにグルメやアパレルなど、12店舗が新装オープンしました。

 東海地方初出店となる手作りのタピオカを使ったドリンクなどを販売する「瑪蜜黛」。

 この店では、出入り口に設置したアルコール消毒液で“新型コロナ対策”していました。

 また、鯛尽くしの料理が楽しめる「金山海鮮めでたい家」は、このタイミングでのオープンに店長も複雑です。

店長:
「外食される方がすごい減っている感じはしますね。ちょっと元気がなくなってきている飲食業界にちょっとでも元気を与えられたら」

 各テナントのこともあり「複雑だけど営業を中止するわけには行かない」と、12日を迎えたアスナル金山。しかし、終息のめどすら立たないこの状態に、担当者も困惑しています。

担当者:
「日常の使い勝手のいい施設として、(お客さまを)お招きをする体制は作っていきたいなと思っております」


 そして、苦渋の営業継続は別の場所でも…。

(リポート)
「こちらの映画館では、入場の際にサーモグラフィーを使って体の温度を測定しています」

 名古屋駅前にある「ミッドランドスクエアシネマ」

<場内アナウンス>
「新型コロナウイルス感染予防のため、サーモグラフィーによる体温測定を行っております」


 この映画館では、ロビーからスクリーンのある客席に続く通路に、3月9日、体の発熱を感知する、サーモグラフィーカメラを設置。体の表面温度が高い人が一目でわかり、体温が37.5度以上の場合は入場の自粛を要請しています。

映画館の担当者:
「本来ですとお客様の体温を測るなんてやりたくないですけれども、大多数の方が『ここまでやっていただければ安心だな』と思っていただくためにやっております」


 臨時休館の措置をとる映画館もある中、この映画館では、排気口など設置されているため密閉空間には当たらないとして営業を続けることを決めましたが…。

映画館の担当者:
「各配給(会社)さんの方から子ども映画を中心に延期が多いです。3月は本来書き入れ時ですので、そういったところでは大きな打撃になっております」


 この映画館では、新型コロナウイルスの影響でこれまでに15作品が公開延期に…。お客さんの数にも大きく影響しました。

映画館の担当者:
「お客さまの来場者数でいうと昨日までで50%をちょっと割りました。春のいい映画を期待されている方には申し訳ないなと感じております」


 ミッドランドスクエアシネマでは、新型コロナ対策として、体に触れるブランケットの貸し出しも中止しています。