新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京や大阪など7つの都府県を対象に出された緊急事態宣言。感染者数が多い愛知県が対象から外れましたが、その理由は…。

 さらに対象から外れた東海地方に首都圏などから帰省する人が増加し、感染拡大につながるのではないかと心配する声も上がっています。

 7日のJR名古屋駅太閤口。

(リポート)
「名古屋駅前のタクシー乗り場です。車がかなりひしめき合っていて、まったく動いていません」

タクシー運転手:
「平日だと15~20分で(回ってくる)もっと動きがいいですよ。コロナの影響で、今はだいたい1~2時間待ち。もう全然…商売あがったりだね」


 また、名駅地下街の金券ショップも。

名駅チケット 高野代表:
「新幹線のチケットは発行されてから3か月間で使わなきゃいけないので。最近、ものすごく売れ行きが悪くなってるので、売値はすごく下げています。赤字の日が多いですね。これが続くとダメです」

 新幹線のチケットが売り上げの4割を占める中、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、売り上げは3分の1ほどまでに減少。さらに今回の緊急事態宣言で、より深刻な影響が出ると心配しています。

「緊急事態宣言」。その対象は東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県。東海地方は含まれていません。

専門学生:
「他のところは対策をとって規制とかやってるのに、愛知だけないし…」

大学生:
「名古屋とばしみたいなやつですか?」

別の専門学生:
「名古屋飛ばし、主流というか他でもなってるから…いつも通りだなとしか思ってませんでした」


 緊急事態宣言も「名古屋飛ばし」…確かに、愛知の感染者は全国で5番目に多い238人。兵庫や福岡よりも多いのです。それなのに、なぜ緊急事態宣言の対象から外れたのでしょうか。7日国会では…。

西村担当相:
「愛知県については感染者数は確かに多いのですが、倍増のスピードがゆったりとしておりますし、感染経路が分からない人が27%と比較的低いということもあって…」


 感染者の数が倍になるまでにかかる日数が東京では5日、大阪では6日なのに対し、愛知では20日以上と感染拡大のスピードは比較的遅いといいます。

 さらに感染経路がわからない人の割合についても、東京はここ最近新たな感染者の70%から90%を占める日があるほか、福岡でも感染者全体の40%を占めています。

 一方、愛知では27%と感染経路がある程度把握できていて、こうした点が緊急事態宣言の対象から外れた理由となりました。

しかし、愛知が対象に含まれなかったことで、こんな現象が…。

(リポート)
「(旅行者が)けっこう荷物を持ってますね…」

Q.東京からきょうは名古屋へ?

女性:
「友達と会いに名古屋に来ました。彼氏ですね。うつるときはどこに行ってもうつるかなっていうのが私の考えで。7都府県にも入ってなかったから来たみたいな感じ」

 6日の名古屋駅でも…。

1歳の子供連れの30代母親:
「東京から実家に帰省しようかなと。コロナで感染者が増えていて、東京は。主人も全然テレワークにならないので、子供もいるし感染したらいやだなと思って。両親は孫に会いたいばかりなので…いつ来てもいいよって。『不安もなくなるんだったらこっちおいでよ』って感じです」


 いわゆる「コロナ疎開」。感染が急激に拡大している東京などから、地方に移動する人が急増し全国に感染を広げてしまうことが懸念されています。

 三重県の鈴木知事は…。

鈴木三重県知事(6日):
「こちらに大挙して帰ってくることを考えるよりは、感染拡大させないためにどうするかということをぜひ検討していただきたい」

 政府も宣言の対象地域の住民に対し、都道府県をまたいでの不要不急の帰省や旅行などを、極力避けるよう求める方針です。