休業要請に応じないパチンコ店。愛知県は再三の要請にもかかわらず、30日まで営業を続けている6店舗の店名を公表しました。しかし、営業を続ける店には朝から大勢の客が訪れていました。

大村愛知県知事(30日午後2時):
「店内での感染のリスクが一層高まり、感染拡大につながる恐れもあります。県民の皆さまの命と健康を守る立場にあるものとして、極めて遺憾であり看過できません。この6店舗に対しまして営業を確認いたしました」


 緊急会見でフリップを掲げる愛知県の大村知事。30日正午までに休業要請に応じなかったパチンコ店6店舗の名前です。

 愛知県が休業要請をしたのが4月16日。要請に応じなかった店舗には県の職員らが直接訪問するなどし、休業を求めていましたが、県内514店舗のうち、29日時点で29店舗が営業を継続。そして公表の期限の30日になっても6店舗が休業を拒否しました。

大村愛知県知事:
「県民の皆さまには、どうか大型連休をむかえまして、パチンコ店は感染拡大のリスクが非常に高い店舗だと認識していただいて、ぜひ利用をお控えいただくようにお願いを申し上げたい」

(リポート)
「名古屋市内のパチンコ店です。開店前には行列ができています」


 店名を公表された名古屋市名東区のパチンコ店、30日午前9時に開店し30人ほどの客が次々と入っていきました。

 店側も店内の消毒や、マスクをしていない人の入店を断るなどの対策を取っているといいますが…。

(リポート)
「店内には多くの利用者が見てとれます。けっこう中は密になっている感じがします」


 席は間引かずに隣り合って座っていて、店の駐車場には県外ナンバーの車も…。

利用客:
「仕事が休みで暇なので。いつもよりかなり多い」

別の利用客:
「お店はお店で対策はしてくれているし、自分も最大限の対策をしているから、個人的にはいいかなと」


 店名公表について聞くと…。

利用客:
「インターネットで調べました。(店名公表は)やる人からすれば『開いてるんだ、ラッキー!』みたいな」

別の利用客:
「本当はいかんことは分かっとる、自分でも。この時期にパチンコやっとったらいかんと、嫁や娘にも言われとるんだけど。依存症だからどうにもならん」

 感染拡大防止のための休業要請に応じないパチンコ店と、訪れる多くの客。

 一方、29日まで営業を続けていたものの30日から休業した店も。理由について店の関係者は「店名公表などのスケジュールも明確になったことから休むことを決めた」と、店名の公表が理由だったことを明かしました。

 要請当初から休業している名古屋市内のパチンコ店を取材すると…。

(リポート)
「若宮大通に面するこちらのパチンコ店、臨時休業中とあります」

 特別に店の中の様子を見せてもらいました。

キング観光 権田清社長:
「(店内が静かで)さみしいGWになりました」

 パチンコ・スロットが1500台以上あるこちらの店舗。本来、ゴールデンウイークは「書き入れ時」です。

権田社長:
「パチンコホールは他の業種と違いまして、たいへん月々のランニングコストがかかる商売なんですよね。家賃が何百万、何千万だったり。なかなか(営業を)やめるにやめられないパチンコホールが存在するのも私はすごく理解ができます」

 ここでは東海地方を中心に24店舗を展開していますが、全店休業しており4月の売り上げは半減したといいます。

 まだ営業を続けているパチンコホールに対しては…。

権田社長:
「今回は人の命が関わっていますので、我々の業界も世間と同じように、足並みを揃えて自粛すべきだなと」


 そして、来店客の体温がすぐにわかるよう、サーモグラフィーを導入。再び店を開けられるようになったときのために準備を始めていました。

 愛知県は30日、店名を公表した店舗を訪問し、新型コロナウイルス特別措置法に基づく「休業要請」を行いました。

 そして2日正午以降も営業を続けていた場合、「休業指示」を出す方針ですが、これも強制力や罰則はありません。

 一方、岐阜県と三重県は30日までに県内すべての店舗が休業しています。