新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、人との接触機会を減らそうと今、企業でのテレワーク活用が推進されています。テレワークを導入した企業に勤める男性の1日を追いました。

 野菜たっぷりのホットサンド。ベッドの上で朝食をとるのは名古屋に住む国分さん。珈琲を飲みながらくつろいでいると…。

国分さん:
「今また業務開始報告が入りました。(電話相手に)もしもし国分です。今メールの件で、そんなに慌てなくていい案件かなと思うので…」


 新型コロナウイルスの影響で2月からテレワークをしています。

 朝食も終わり仕事部屋へと移動かと思いきや、なんとベッドの上でそのまま仕事!

国分さん:
「(1日に)6時間以上は座っているんじゃないですかね。あぐらをかいて、こんな感じで(ノートPCを乗せながら)仕事したりとか…」


 ジーンズにパーカーというラフなスタイルですが、国分さんは実は営業マン。大手通信会社NTTコミュニケーションズで営業課長を務めています。

国分さん:
「サラリーマンなので一応(スーツは)あります。あまり着ることがなくなりましたよね。出番がだいぶなくなってきました」


 国分さんの一日を覗いてみると…。

国分さん(9時):
「アレクサ、集中できる音楽をかけて」

〈アレクサ〉
「アマゾンミュージックから、プレイリスト『勉強のためのジャズ』を再生します」

 ジャスが流れる部屋でパソコン片手にコーヒー。シャカリキに働くサラリーマンとは程遠い姿です。

 さらに自宅で仕事をしているため、配達物もいつでも受けとることができます。そして、すぐに仕事に戻れます。

国分さん:
「(アップルウォッチからの着信音で)お世話になります、こんにちは」

 腕時計でそのまま会話も…。

国分さん:
「ツールや環境がテレワークに支障がないレベルまで追いついてきたってことは大きいでしょうね」


 午前中は部下からの相談や資料のチェックをこなした国分さん、そろそろお昼です。

 11時45分。1日1回、部署のメンバーが集まって雑談をする「昼会」の時間。離れた場所でそれぞれがテレワークをしているため、コミュニーケーション不足に陥いる心配もあるということで、国分さん、この「昼会」を始めましたが…。

国分さんの同僚:
「社内にいればそれなりに会話ができるので、ちょっとした疑問点もすぐ解決できるというか、そういったところには不便を感じているというところはありますね」

国分さん:
「一緒に仕事をしていると困った顔しているなとか、体に生じる反応とかを見て、どうしたのかなって気付けますけど、テレワークになっちゃうとさすがにそれはないですもんね」


 表情や体調などの微妙な変化を察することは難しいと感じています。今後の課題かもしれません。

 午後1時、国分さんはスーパーに買い物へ。これまでは仕事帰りに寄っても目ぼしいものが売りきれていることが何度もありましたが、在宅勤務なら好きな時間に買い物できるのもメリットの1つです。

 まもなく午後3時…国分さんはネクタイを締め始めました。ジャケットも着込みます。

国分さん:
「これから15分後にプレゼンテーションをするので、初めてのお客さまになりますので。(プレゼンテーションにて)はじめまして。NTTコミュニケーションズ東海支店の国分と申します。本日はどうぞよろしくおねがいいたします」


 お客さんへの説明も自宅から、テレビ電話でのプレゼンです。説明はパソコンの画面に映し出された資料を使って行います。身振り手振りを交えて1時間ほどの商談。お客さんの反応は…。

取引先:
「すごく不安だったし本当に伝わってくるのかなって思ったんですけど、ほぼ一緒に会って一つの部屋でプレゼンを受けているのと、なんら変わりはないという風に今日は感じました」


 画面越しでもお客さんに伝わったようで、国分さんホッと一安心です。

国分さん:
「きちっと伝わったようですので、オンラインで十分に目的は達成できたんじゃないかなと思います」


 新型コロナウイルスで変わる働き方。「営業は足で稼ぐ」時代は、過去になりつつあるのかも知れません。

国分さん:
「必ず変わると思いますね、しかも世界中で。日本だけではないので、グローバル全体でこの騒動の後に、色々なことが変わっていくだろうなとは思います」

 ちなみにプレゼン中の国分さん、上半身しか画面に映らないため、下はジーンズのままでした。