緊急事態宣言が解除されて、初めての週末を迎えた岐阜県。ただ、観光の目玉、長良川鵜飼の開幕も延期されたままで、賑わいは戻っていません。
16日午前8時半ごろの東海北陸道。県をまたぐ移動は控えるよう呼びかけが続く中、愛知から岐阜方面に向かう道はかなり空いていました。

雨模様だった16日は、JR岐阜駅前もほとんど人通りがなく、静まり返っていました。
柳ヶ瀬商店街では、岐阜タカシマヤがはおよそ1カ月ぶりに全面的に営業を再開。

女性の買い物客:
「百貨店しか売ってないモノってあるでしょ。目的のモノだけをババッと買って、サッと帰ろうかなと」
夫婦の買い物客:
「早く(店を)出ようとはする。必要以外のところには行かない」
柳ケ瀬商店街は、この週末から営業を再開した店が多いものの…。

商店街に来た人:
「ちょっと前に比べたら増えたかなとは思いますね。一時期、本当に閑散と、シャッター街みたいになっちゃっていたので」
別の人:
「散策に散歩がてら来ました。あまり軽い気持ちでは、今(店に)入れなくなってしまいましたね」
様子をうかがいながらの外出。そんな中、柳ケ瀬商店街の一角で90年以上続く老舗「焼きそばマサムラ」も、1か月ぶりにこの週末から店での飲食を再開しました。しかし…。

焼きそばマサムラの店主:
「まだまだホントに(客は)数組もないくらいだと思います。すごく厳しいと思っています」
お昼時も、お客さんはまばらです。それでも…。

焼きそばマサムラの店主:
「やっと商売ができるかなと、それだけですね。でも先代や先々代は、太平洋戦争も経験して空襲も経験しているわけですから、それを思えばね」
ご主人は、前を見つめて1か月ぶりの仕事にのぞみます。
5月11日に始まる予定だった、岐阜の風物詩、長良川鵜飼。

”鵜飼の漁”は、22日に始まることが決まりましたが、観光客が乗る船の運航開始は未定です。

4月6日から休業が続く、鵜匠の家「すぎ山」。

本来であれば、この客室から長良川の鵜飼を堪能することができますが…。

鵜匠の家「すぎ山」の社長:
「6月いっぱいを休業とさせて頂いて、7月1日から(営業再開)。一番繁忙期をむかえるこの時期に、休館せざるを得ないというのは…。何もできない自分が情けないというか」

鵜飼漁が始まっても、旅館の再開はまだまだ先です。半分以上が県外からの客であるため、7月まで営業の再開を待ちます。

鵜匠の家「すぎ山」の社長:
「鵜飼のかがり火に火がともったときに、なにか皆さまも、希望の光が見えるような気がしますので」