愛知県は22日、新型コロナウイルス感染拡大のためにパチンコ店や遊園地などで出していた「休業要請」を解除しました。

 しかし、遊園地を巡っては、県の説明が不十分だったことで大きな混乱が起きていました。

 前日の21日、大阪と京都、そして兵庫の3府県で解除された国の緊急事態宣言。関西方面へ向かう人はほとんど見られなかったものの、関西からこの地方を訪れるビジネスマンの姿が見られました。

大阪から来たサラリーマン:
「ちょっと出張でどうしても外せないやつがあって。名古屋は半年ぶりですね。きのうの解除の段階である程度は関西圏も出ていいよとはなりました」


 街に広がる「緩和ムード」。22日は、愛知県でも…。

大村愛知県知事:
「これまでクラスターの発生の事実があったようなところ、それから「3つの密」の典型的なところを除いて緩和することにさせていただきました」

 愛知県は、一部の施設や店舗について継続していた「休業要請」を解除。パチンコ店、遊園地、インターネットカフェのほか体育館や屋内ゴルフ練習場などが解除されました。

 一方、過去にクラスターが発生したスポーツジムやライブハウス、カラオケボックスのほか、ナイトクラブなど接待を伴う飲食店などについては休業要請を継続します。

 「休業要請」の解除を受け、「3密」のリスクが高いとされているパチンコ店では…。

LUCKYPLAZA名古屋西インター七宝店の店長:
「各台に分煙ボードがもともとついていますが、飛沫感染防止という意味で、営業中は常にフルオープンに」

 あま市にあるパチンコ店「LUCKYPLAZA」。休業要請の解除を受け、24日から営業を再開します。

パチンコ店の店長:
「ホッとしましたね。(業界的に解除は)一番最後になるだろうなと思っていましたので」


 店では、入り口に新たにサーモグラフィーを設置し、検温を実施。フェイスガードをつけたスタッフが客にマスクを配るほか、手袋を貸し出します。

 さらに空調にも対策を講じました。空調を通じて二酸化塩素が散布される装置を導入、空気の消毒作用があるといいます。かかった費用は1000万円、先週いれたばかりです。

パチンコ店の店長:
「言い方悪いですけど、ちょっと叩かれやすい業界ではあるので、パチンコ店がここまでの取り組みをしていると。パチンコ店に関してはまだクラスターは出ていませんので、絶対に自店舗から出すわけにはいかないと、取り組んでいます」


 一方、蒲郡市のラグーナテンボスでは商業施設の「フェスティバルマーケット」が22日から営業を再開。

 しかし、隣にあるテーマパーク「ラグナシア」は、門が閉じられ、休業を知らせる貼り紙がされています。

 「ラグナシア」は22日から営業再開する予定でしたが、21日、急きょ再開を「延期」しました。そのワケは…。

大村愛知県知事(21日の会見):
「テーマパーク・遊園地といったところは緩和しておりませんので、休業協力を今もお願いしている」

 愛知県が「遊園地への休業要請は継続している」と指摘したことで、22日からの営業再開を決めていた「ラグナシア」や「レゴランド」などの遊園地が再開を延期しました。

 混乱が起きた原因は「愛知県の説明不足」。これは、休業要請について説明している県のホームページ。「施設対象一覧」と書かれたファイルには、休業要請の対象にダンスホールや射的場など細かい業種が書かれていますが、「遊園地」の記載はありません。

 県は、5月15日以降、映画館や商業施設などの休業要請を解除していましたが、資料に「遊園地」の記載がなかったことで、大きな混乱を招きました。

大村愛知県知事(22日の会見):
「行政としてはきちっとやっていくということに尽きる。(遊園地側から)問い合わせがあれば対象ですよと申しあげているだけ」

 県は、事業者から個別に問い合わせをしてほしかったとしていますが、混乱は、「県営公園」の中にある遊園地でも…。

 長久手市の県営公園「モリコロパーク」にある遊園地では、休業要請が解除されたと判断し、5月17日に営業を再開、22日になって再び休業しました。

客:
「(再開が)明確になっていないと私たちも来づらいといいますか、わかんないので困りますね」

別の客:
「子供が好きなのでわざわざ来たのに、乗れなくてがっかりしていますね」


 レゴランドやラグナシアは、休業要請の解除をうけ、23日から営業を再開します。

ラグーナテンボスの広報宣伝部長:
「準備に戸惑ったところがありますけども、お客様の安全に配慮しながら運営を再開していきたい」