愛知県は新型コロナウイルスの感染状況が一段落したとして、26日、県独自の緊急事態宣言を解除しました。

 商業施設や観光施設などの営業が次々と再開していく中、引き続き営業自粛が求められる業種も。店側の思いを取材しました。

 4月10日に出された愛知県独自の緊急事態宣言が、ついに26日、解除されました。

 県民の行動の目安となる「対策指針」も合わせて示され、国の指針と同様に26日から7月末まで、外出の自粛やイベント開催など段階的に緩和されることになりました。これを受け名古屋の街では…。

20代男性(賛成):
「経済がやられてしまうと思うので、ある程度のところで解除しないとダメだと思うので、僕は賛成です」

20代女性(賛成):
「愛知県は(感染者)ゼロ人という情報を毎日見てて、今解除されてよかったなと思う」

40代男性(反対):
「まだまだ今の生活を維持しながらが必要じゃないかなと思います」

20代女性(反対):
「かかってからじゃ遅いというのと、もし自分がかかってたらというところがあるので…。皆さんあまり外出しないんじゃないかなという期待と希望を持ってます」


 国が発令した緊急事態宣言もすでに解除され、飲食店や商業施設、さらに観光施設も次々と営業再開して行く中…。

ライブハウス「パラダイスカフェ21」の井口店長:
「お店自体が死んでしまったかのような、そんな寂しさはありますね」


 名古屋市千種区にあるライブハウス「パラダイスカフェ21」の店長・井口俊英さん。愛知独自の宣言は解除されたものの、ライブハウスへの休業協力要請は事実上継続したままです。

井口店長:
「ある意味当然というか、そうなるだろうなというのは予測できたので、そこまで関係ない」


 休業していた5月はもちろん、6月以降もスケジュールは空欄ばかり。出演してくれるバンドが動かかないことには、始まらない仕事。

 たとえ要請が解除されたとしても、すぐに前のような賑わいが戻るわけではありません。

井口店長:
「今年いっぱいぐらいは、すでに厳しいことが分かってしまっているんですね。ライブとかイベントをやるときは、早かったら半年ぐらい前に企画して決めて、会場を抑えに来るんですよ。かなり長期的なご支援をいただかないと、今年中につぶれていってしまう店もたくさんあると思うんですよ」


 街のあちこちに張り出されたポスターに書かれた「今池ハードコア」とは、『筋金入りの今池好き』という意味だといいます。

 今池では、ライブハウスや居酒屋などが協力して、ポスターと同じ柄のTシャツを販売し、店の減益分を少しでも補っていく予定です。

井口店長:
「公的支援だけで賄えればよかったんだけれど、それを賄えるだけの金額が支給されるわけでもなく。スピードもかなり遅くて、それが待ちきれずにつぶれてしまう店も結構たくさんあったりして。絶対に耐え抜いて、生き延びるんだって」


 一方、こちらも休業要請が継続したままのカラオケ店です。創業16年、夫婦2人で営むカラオケ店「スマイル」。

常連客:
「声出してもちゃんと離れて座っているし、歌えば消毒も全部やっているから」


 この店は、4月18日から5月6日まで休業していたため、愛知県から交付される協力金50万円は受け取ることができますが、それ以降は店側の判断で営業を再開しました。

カラオケ「スマイル」の細川店長:
「大村さんが、愛知県は自粛でカラオケもダメだということだったんで。どうしようと、商売やらないと全くお金が入ってこないんだから。おかしいなと思う。だって遊園地とかはみんな解除されて、なんでカラオケがダメかなーって」


 普段なら常連客を中心に、一日に30人ほどが店にやってくるといいますが、今では開いていてもゼロの日も。

 店では経費として、カラオケ機材の使用料など毎月決まって20万円以上がかかりますが、県からの協力金はすぐにもらえないため、月の家賃を払うのも厳しい状態だといいます。

細川店長:
「家賃が10万円、店閉めていた時でも冷蔵庫とか電源切るわけにもいかないので入れっぱなし。きついきつい、こんなの初めてですよ」

 「大事なもの」と言って見せてくれた手帳。中には、常連客が好んで歌う曲名などが、ビッシリと書かれていて、お客さんへの思いが伝わってきます。

 細川店長は、「人と人との付き合い」だと話し、日常が戻ればまた、お客さんが戻ってきてくれると信じています。