東海地方で人気のラーメン店が始めた「ドライブスルー」が評判を呼んでいます。

■「岐阜タンメン」の発祥…実は愛知 店名の由来は岐阜の人への“感謝の気持ち”

 「岐阜タンメン」は、11年前、愛知県稲沢市に1号店を構え、今では愛知や岐阜に18店舗を展開。東海地方で注目のラーメンチェーンです。

 名前は“岐阜”タンメンですが、発祥は実は愛知。稲沢市に出した屋台からスタートするも、売上が伸びず事業からの撤退を検討したことも…。

 ところが、「ラストチャンス」として隣の岐阜県に出店したところ、起死回生の大ヒット。行列ができる程の人気店に成長しました。

 愛知発祥なのに「岐阜タンメン」。店名は、「岐阜の人に感謝タンメン」を略しているそうです。

■人気の「タンメン」は“野菜たっぷり”で1杯780円

 看板商品はもちろん、タンメン。中華鍋にたっぷりのキャベツと白菜、豚肉を入れると、つぶすように炒めていきます。

 そこへ水や調味料を加え、鍋の中で塩だしのスープに仕上げれば、野菜や肉の旨味が余すことなく溶け出し、おいしくなります。

 1杯780円。好みで量を選べる辛いタレと合わせると、旨味とコクが倍増。

 それでいて、野菜たっぷりでヘルシー感があるため、老若男女、大勢から支持されています。

■開店した4年前から「ドライブスルー」用の小窓を設置…新型コロナをきっかけに開始

 愛知県の国道22号線沿いにある「一宮インター2号店」で、4月22日から始めたのがラーメンの「ドライブスルー」です。 

※ドライブスルーは18店舗のうち、この店のみ

 4年前の開店当初からドライブスルーの構想があり、初めから店の作りも対応できるように設計。 

この店は元々は月に8000人が入りましたが、新型コロナウイルスの影響が出て以来半減し、ドライブスルーを始めました。

男性客:
「今までラーメンの持ち帰りっていうのがなかったので、どういうものか見たいなって思って来ました」

女性客:
「ラーメンのドライブスルーってあまりないので、それに女性はあまりラーメン屋に入れないので、ドライブスルーがあるから、じゃあ行こうって」

 車を横付けしてボタンを押すと、スタッフが注文を聞きに現れます。

 メニューを受け取り、注文したいものを選びます。

 持ち帰ることができるのは、タンメンの他、ギョーザやチャーハンなどのサイドメニュー。

 注文をしてできあがりまで車内で待っていると、タンメンは持ち帰り専用の容器に入れられ、アツアツの状態で手渡されます。

男性客:
「ありがたいですね。小さい子どももいるので、家族で(店の)中に入ってゆっくりというわけにはいかないので、お持ち帰りの方が僕らは楽かな」

女性客:
「子どもが家にいるので、ずっとご飯を作らないといけないというのが解消されるのでいいかなって」

■麺が伸びてしまう心配はどう対応?

 おいしいラーメンのドライブスルー。しかし、テイクアウトで麺が伸びてしまう心配は?

岐阜タンメンの担当者:
「初めは店内と同じように提供していましたが、麺を別で選べる形に、今はしています」


 当初はできあがりをそのまま提供したところ、やはり「麺が伸びてしまう」と指摘を受けたそうで、注文の時に希望があれば、麺とスープを分けて出すようにしました。

 また、「スープが冷めておいしくなかった」との声もあり、冷凍したスープでの提供も始めました。

 生麺と冷凍スープを注文した場合、熱湯でスープを温めて解凍します。レトルト食品を湯煎するのと同じ要領です。スープには、ちゃんと野菜や豚肉も入っています。

 麺も30秒程で茹で上がるので、本当に手間をかけることなく、お店の味を楽しむことができます。

 ドライブスルーを始めておよそ1か月。提供の仕方の工夫と知名度アップで、多い日には30台が利用するようになりました。

 担当者は、「お客さんの声を聞きながら、自宅で安心して食べていただけるように、より良いサービスを提供していきたい」と話しています。