住民票など様々な証明書がコンビニでも取得できるようになるほか、身分証明書としても使える「マイナンバーカード」。このカードを持っている人しか受けられない、還元キャンペーン「マイナポイント」が、9月から始まります。

還元率は25%で最大で5000円分のポイントを還元。破格のキャンペーンですが、マイナンバーの発行はメリットとデメリットをよく理解したうえで申し込みをしたほうがよさそうです。

 マイナンバーカードの普及を目指す国は9月から、ポイント還元キャンペーン「マイナポイント」を始めます。

マイナンバーカードを持っていれば7月から申し込みができ、電子マネーやQRコードといったキャッシュレス決済で買い物やチャージをすると、最大5000円分のポイントが還元されます。

還元率はなんと25%。消費増税後の景気対策が2-5%のポイント還元だったことを考えると、大盤振る舞いといえそうです。

街の男性:
「結構でかいと思います」

街の女性:
「ちょっとびっくりしました。25%はすごいと思います。還元率が高いと生活の方が潤うと思うので、いろんな物をあれだけじゃなくてそれもちょっと買えるとか手が出ると思うので」

別の男性:
「えぐい!普通のキャッシュレス決済で25%(還元)って聞いたことないので、メリットが大きいかなと思います。(カードを)作りたいですね」

 しかし、そもそもマイナンバーカードを持っていないという方もいます。マイナポイントが欲しいという方は、カードの発行手続きを進める必要があります。

名古屋市内の区役所。

職員:
「顔写真と見比べます。マスクを軽くずらしてください。大変お待たせいたしました。こちらがマイナンバーカードになっております」


マイナンバーカードの窓口に、市民が次々と訪れていました。

マイナンバーカードは、顔写真や氏名、住所のほか、12桁の個人番号などが記載されていて、身分証明書としてはもちろん確定申告などでも使えますが、今、別の理由で発行数が増えています。

マイナンバーカードを取得した人:
「特定給付金ですね、きっかけは」

別の人:
「身分証としても使えるのと給付金がもらえるという話になって、申請書が届くよりこっちの方が早かったので、オンラインで(申請)しようかどうしようかなと思って」


 新型コロナウイルスの緊急経済対策の1つ、1人10万円の給付金。書類での給付金の申請に先駆けて始まったオンライン申請には、マイナンバーカードが必要だったことから発行数が急増。

名古屋でも4月と5月の2か月間で、およそ14000人がカードを取得しました。これは昨年度の年間およそ48000人を大きく上回るペースで、現在発行に時間がかかっているそうです。

北区役所の担当者:
「1年前だと、だいたい1か月でお手元に通知のハガキを出せるという状態でしたけれども、現在だいたい1か月半とか2か月ぐらいかかるといわれております」


「マイナポイント」の原資として国が用意したのは、およそ2000億円。1人あたりの上限は5000円なので、ポイント還元を受けられるのは4000万人までとなります。

マイナポイントは、国民全員が受け取れるわけではなく先着順ですが、北区役所では今申し込めば、サービス開始に間に合うと思うと話しています。

 マイナンバーカードを取得したら初めに予約が必要です。アプリをダウンロードしたスマートフォンなどでカードを読み取ると「マイキーID」というものが発行されます。

この「マイキーID」は本人認証の際に必要で、すでにカードをお持ちの方は今でも発行できます。

次に電子マネーやクレジットカードなど、ポイント還元を受けるキャッシュレス決済を選ぶ「申し込み」です。7月からできるようになり、これを済ませれば9月からポイント還元を受けられます。

 マイナンバーカードについては身分証明書として使える、オンラインでの確定申告に便利、来年3月からは健康保険証としても利用できるなど、メリットも多い一方で課題もあります。

個人情報の扱われ方や漏洩の危険です。名古屋市の河村市長は「人生不変のパスワードを持ってくださいというもの。時代遅れも甚だしい」と制度自体を批判しています。

また、政府はマイナンバーと金融機関の口座との紐づけを義務化する検討を始めていて、将来、国に資産を把握されるのではないかなどといった懸念の声もあります。

メリットとデメリットをよく理解したうえで、カードを発行する必要があります。