人気の回転寿司チェーンが夏のメニューを展開しています。スシロー、かっぱ寿司、くら寿司の夏イチオシのメニューを取材しました。

■スシローの夏のお勧めは「復刻メニュー」

 まずは、東海3県では71店舗を展開する「あきんどスシロー」。

全国に552店舗を展開する業界最大手です。「まぐろ」は、1日に16万皿も出るそうです。新型コロナの影響で、テイクアウトの利用も増えたと言います。

あきんどスシロー熱田店の店長:
「一時期は、大体約2割から3割ぐらいテイクアウト利用のお客さんが増えました。スシローの手巻きセットが、人気商品となっております」

その手巻き寿司セットは、2~3人前で1980円。3人で食べた場合、1人650円と手軽なのも魅力です。

しかも、「もっとボリュームを!」「アレンジしたい」という人向けに、「いくら」や「ねぎまぐろ」などの追いネタのセットもあります。

 そんなスシローの、この夏のイチオシは「夏の復刻100円祭」。過去の人気の商品を期間限定で復刻して販売しています。

過去に人気だった8つのメニューを楽しめるフェア。

例えば「紅鮭のすじこ醤油漬け」や「炙り焼き鮭ハラス」などのお寿司。

そして大人気のパフェやバスクチーズケーキなど、スイーツの復刻メニューも楽しめます。

 その中でも押さえておきたいのは「マーラー風味赤えび揚げネギ添え」。

4年前に登場し、大人気を誇った赤海老の創作ずし。あまくてぷりぷりの赤エビに、焦がしネギのほのかな苦みとマーラーのピリ辛が加わり、それをマヨネーズがうまくまとめます。

過去数年で何度か販売し、これまでに1300万皿売り上げたという超人気のお寿司です。

 そして、「黄金のとろ穴子」。通常の穴子よりも脂が乗っているので甘いのが特徴。煮汁がいい味を出していて、甘ダレの出番はなし。口に入れた瞬間、トロける食感がたまりません。

 こうした人気メニューを常設にしない理由について、店長は「ネタの質にこだわりがあるため、調達や食材の準備に時間がかかります」と話しています。今回は全店舗分確保できたそうです。

 さらに普段300円の「本鮪の大トロ」は半額の150円。復刻メニューも大トロもお値打ち価格ですが…。

あきんどスシロー熱田店の店長:
「お客さまに楽しんでいただきたいんですけれども、正直なところ赤字ですね」

※夏の復刻100円祭りと本鮪のキャンペーンは7/19までです

■かっぱ寿司の夏は「本鮪尽くし」

 続いては、東海地方に42店舗を展開する「かっぱ寿司」

2年前から始めた食べ放題で話題となりましたが、7月から一部の店舗でモーニングサービスも提供。様々な挑戦を続けています。

かっぱ寿司でも、テイクアウトの注文が以前の2倍になっていて、7月限定で握り寿司に手巻き寿司、唐揚げなどが付いたボリュームたっぷりのセットを販売しています。

 かっぱ寿司には驚きのメニューが…。それが「メガうなぎいくらちらし」です。ドドーンと圧巻のボリューム。およそ10人前のちらし寿司。うなぎの蒲焼を敷き詰め、イクラもたっぷり。重さは実に3.5キロで、値段はなんと税別1万円。

 しかしこのメニューに注文は入るのか?実はかっぱ寿司では第一弾として「メガ海鮮いくらちらしずし」をメニュー化していて、想定していた数の3倍以上だったといいます。

このため、今回夏の風物詩でもあるうなぎの蒲焼きを主役としたメガちらし寿司が投入されました。

かっぱ寿司はこの夏、「超・創業祭」を開催。3回にわけて行われる1回目は、かっぱ寿司史上初、本鮪のお寿司8品を同時に販売しています。

本鮪の「大とろ」と「中とろ」を提供。値段もそれぞれ280円と180円と通常通り。炙りに軍艦と合わせて8種類、まさに本鮪尽くしです。

かっぱ寿司の担当者:
「本鮪といいますと、身の質だとか脂のコクで、多くのお客様に大人気のマグロの種類になっています。その本鮪をお手頃な価格で楽しんでいただきたい」

 オススメは他にもありました。それが「えびそば一幻監修・えび味噌ラーメン」。

2年前から夏限定で登場するかっぱ寿司の「夏の風物詩」。「えびそば」で有名な店の味を再現した、濃厚なえびの出汁に、味噌と豚骨をバランス良く合わせた一杯です。

※超・創業祭の1回目は7/22-7/30です

■くら寿司はマグロの「目利き」をAIが…その名も「ツナスコープ」

 最後に、東海3県に47店舗を展開する「無添くら寿司」へ。一皿ずつに付くカバーや皿の回収システムなど、他にはないユニークなシステムでも知られます。

最近では、タッチパネルを使わずにスマホで注文することもできるようになりました。

こちらもテイクアウトの注文が増えていました。中でも、注目を集めたのが「おうちでくら寿司セット」。人気のネタ8種類とシャリ玉に、帽子が付いてきます。

無添くら寿司の担当者:
「ご自宅でお寿司屋さん気分をお子さん中心に味わっていただける。思っていた以上の反響いただきまして、ちょうどGW前の発売開始でしたが、おかげでGWは前年の3倍ぐらいの売上になりました」


 くら寿司では季節限定ではありませんが、その時々にお勧めの魚を全面に押し出したフェアを展開。今回のとっておきのメニューは「極み熟成AIまぐろ」です。

いかにもおいしそうで、極み熟成というネーミングに納得しつつも、「AI」とは一体?

無添くら寿司の担当者:
「AIが目利きしたマグロになります。通常は、いわゆる経験や勘を頼りに仲買人さん、プロの目利き師がマグロのしっぽの断面を見て、脂の乗り具合だったり身の縮れ具合だったりとマグロの品質を判断するんですけれども、そういったノウハウをAIが学習しまして、そのAIが搭載されたスマートフォンのアプリがあるんですね。『ツナスコープ』というんですけれど、そのツナスコープがマグロの品質や鮮度、おいしさを判断しているということです」


プロの目利きをAIが学習し、それをもとにマグロを選定、仕入れたものだと言います。実はその導入には、ある切実な事情がありました。

無添くら寿司の担当者:
「目利きする職人さんたちの後継者問題だったり、高齢化が進んでいるという課題もございます。国の内外含めて、移動が自由ではない状況だと思いますので、遠くから仕入れている魚の品質の管理ですとかが非常に大変になります。そういった部分でもこの『ツナスコープ』は非常にメリットがあるものになるかなと思います」

近い将来、こうしてAIが目利きしたネタが主流になるのかもしれません。

さらに、この夏のお勧めとして、ちょっと意外なものも挙がりました。それが「うな丼」と「シャリコーラ」です。

一体なぜこれがお勧めなのか…。

無添くら寿司の担当者:
「サイドメニューにも力を入れておりまして、夏といえばうなぎ。そして甘酒をベースにしたシャリコーラ。こちらも非常に疲労回復に効果があります」


「すしやのうな丼」。680円と他のメニューより格段に高めですが、7年前の発売以来900万食が出たというヒット商品です。

炭火で焼かれた身は香ばしく、タレに「昆布」「かつお」「さば」など7種類の魚介素材を使うのは、寿司店ならではです。

また、米麹を使った甘酒のような風味が特徴の「シャリコーラ」も、これまで「シャリカレー」などお米にこだわってきたくら寿司らしいメニューです。

※極み熟成AIまぐろの販売期間は7/16までと7/22-7/28です

この夏の回転ずしチェーンのお勧めを、ぜひ歩き回って食べ比べてみてはいかがでしょうか。