東海3県の新型コロナウイルス感染者は15日、緊急事態宣言が解除されて以降で最も多い19人となり、増加傾向は鮮明になりました。

その中で、愛知県警岡崎署の留置場で勾留されていた男の感染が確認されましたが、男は39度の熱が出た後も、全国を飛び回っていたことがわかりました。

■新型コロナ感染拡大止まらぬ東京…東海地方でも

小池東京都知事(15日午後5時):
「『感染拡大警報』を発すべき状況だと。不要不急の都外への外出につきましては、例えば無症状の方であっても他の方に感染させるおそれがございますので、できるだけお控えいただきたい」


 15日、4段階の警戒レベルを「最高」に引き上げた東京都。16日も過去最高の286人の感染が確認されるなど、感染の拡大が続いています。

そして、感染拡大は東海地方でも…。

 名古屋市では15日、10代から70代の男女10人の感染が新たに確認されるなど、東海3県ではあわせて19人の感染が確認されました。

1日の感染者数が2桁となるのは4月24日以来、およそ3か月ぶり。今週に入り、再び感染の拡大が進んでいます。

 そして、確認された感染者のなかには、こんな男も…。

■発症後も1都4県を移動…逮捕され勾留されていた20代男にも新型コロナの感染確認

 愛知県警岡崎署の留置場に勾留されていた20代の男の感染が15日、確認されました。7月11日に逮捕されていたこの男、発熱の症状が出てからも日本中を移動していたことがわかりました。

男は7月2日、千葉県から感染者が急増している東京へ。7日には静岡県に移動し、この日、39度の熱が出ました。しかし、その後も移動をやめることはなく、8日、再び東京へ…。

さらに9日には、広島県に移動。そして10日に山口県に入り、その翌日、愛知県警が逮捕。男の身柄は岡崎署に移され、15日まで勾留されていました。

男は、13日の検温で37.1度の発熱などがあり、15日、PCR検査で陽性と判明しました。

 発熱があったにもかかわらず、2週間で1都4県を移動していた男。現在は別の留置場に移されましたが、愛知県警は濃厚接触した可能性のある岡崎署の警察官10人を自宅待機にしていて、このうち1人が発熱しているほか、2人が喉の痛みを訴えているということです。

■新宿の「劇場クラスター」からも愛知で拡大

 一方、この地方にも感染拡大が懸念されているのが東京・新宿の「劇場クラスター」です。

この劇場を訪れた後に感染が確認されたのは、愛知県内で5人。15日に感染が確認された名古屋市の30代から50代の女性3人に加え、14日に、感染がわかった美浜町の女子高校生も、その後の調査でこの劇場を訪れていたことがわかりました。

 実は、愛知県内では15日に感染が確認された16人のうち、9人が東京と大阪に訪れた人とその家族や知人です。「感染流行地」である東京や大阪に移動したことで、感染が広がった可能性が指摘されています。

 16日、出張などで名古屋駅を訪れた人は…。

東京に出張した人:
「兵庫から東京に行きました、昨日まで。昨日の晩に名古屋に来て、今から岡山に行きます。東京がまた増えだしたので、ちょっと不安ですけど仕方なく来ました。何時間かだけ滞在してすぐ帰ってきました」

関西から名古屋に来た人:
「ディズニーランドとかも行きたいけど、やっぱり今はちょっとまだ…。東京はもう行かないです」

東京に出張に行く人:
「ちょっと不安ではありますけど、どこにも寄らずちょっと用事だけ済ませて帰ってきます。もう1泊もせず用事だけ済ませて帰ってきます」


感染が急速に拡大する東京への移動について、不安の声が多く聞かれました。