名古屋市では23日に新型コロナウイルスの感染が判明した62人のうち、8割の感染経路が不明です。そしてPCR検査の態勢も限界に達しています。

(リポート)
「今、栄のテレビ塔とオアシス21が、コロナ警戒領域を表す黄色にライトアップされました」


 感染拡大への警戒を呼びかけるため、黄色に染まった名古屋テレビ塔とオアシス21。愛知県では感染拡大に歯止めが利かない状況になってきました。

大村愛知県知事:
「本日も大変残念ながら74人ということで、過去最多となっております」

 23日の臨時記者会見でこう発表した大村知事。しかし、その10分後…。

大村愛知県知事:
「今、17時に報告がありまして、名古屋市の速報値が40から62と報告がありました。したがいまして県全体では96人になりました。愛知県の状況は警戒領域だと。そして第2波の大きな山が来ているというご認識をいただきたい」

 その後、さらに1人増え、愛知県の23日の感染者は97人。中でも深刻なのが名古屋市です。

名古屋市の担当者:
「かなり爆発的に、今名古屋市内で感染が広がってしまっている」

 23日に公表された新規感染者は62人。そして、感染経路が不明な人が全体の8割、50人にも上りました。

名古屋市の担当者:
「(感染経路を)追っていますけど、本当に追いつかなくなりつつある。感染を抑えられるかどうか、厳しいことを言うと瀬戸際に近い」


名古屋市の担当者が厳しい表情で話すのには、「PCR検査が限界」を迎えているという背景があります。

名古屋市では衛生研究所を中心に23日、130件ほどのPCR検査を実施。しかし実はこの検査数が、今の名古屋市の限界です。医療機関にも依頼し検査を進めていますが、感染拡大に伴い十分に対応できていないといいます。

名古屋市感染症対策室の中村室長:
「検査体制についても、かなり厳しい状況になってきております。場合によっては、検査をするのにお待ちいただいたりというケースも出てきているというのは聞き及んでおります」


 また現在、軽症者らを受け入れる施設がないため、22日の時点で50人が入院できず、自宅待機の状態になっています。

PCR検査の限界、そして自宅待機となっている多数の感染者。感染拡大で名古屋市の態勢が限界に達しつつある状況に市民は…。

名古屋市民:
「どうなるのか先行きが不安。(コロナに)なったときにどうなるのか、全然想像つかないところが怖いですね」

別の名古屋市民:
「大変だなと思います。なのでこの4日間のお休みは、外出の制限をしたほうがいいかなと思います」


 感染が拡大する中、4連休は2日目。港区の名古屋港水族館では、午前9時半のオープン前から行列ができていました。

感染対策で7月13日から入館は予約制となり、1時間ごとに入場制限を設けていますが、24日の予約数は制限いっぱいに近いおよそ1万人。

名古屋港水族館の担当者:
「7月に入って、だいたい6割くらいのお客さんが入られたんですけど、昨日は連休初日ということで人数の方は多かったかなと。今日も例年並みぐらいに入ってくるのかなとは思います」

イルカショーはソーシャルディスタンスをとったうえで通常20分のショーが10分に短縮されていました。

イルカショーを見た子供:
「おもしろかった」

名古屋市からの父親:
「来るか直前まで悩んだんですけど、ちょっとならいいかなと、名古屋だしというので来ました」

四日市市からの女性
「久しぶりのお出かけですね。思ったより人が多くて、見るだけ見てすぐ帰ろうかなという感じですね」


 感染拡大が止まらないまま、連休は続きます。