30日、31日と2日連続で100人を超える感染となった名古屋市。新たに4つ目となる飲食店関連のクラスターが確認されました。クラスターが発生している名古屋の繁華街「錦三丁目」の店主からは、嘆きの声があがっています。

 クラスターが発生している名古屋の繁華街「錦三丁目」。夜、訪ねてみると、人出はまばらです。

(リポート)
「あまり街に人がいる様子はありません。だからなのか、皆さんマスクしてない人もかなり目立つような…。あちらの女性2人組はビルの前で呼び込みをしていますが、マスクしてませんね。本当にマスクをしていない人が多いです」

愛知県の女性:
「(繁華街を)夜歩くのは怖いですね。マスクせずに咳したりする人もいるから、あんまり近寄りたくはないかなって感じ」


 名古屋では30日、初めて100人を超える新型コロナの感染が確認されましたが、20代、30代の若者が大半を占めています。

さらに中区栄の飲食店を中心とする「クラスター」が確認され、これまでに従業員らあわせて18人に感染が判明しました。

 名古屋では7月に入り、錦三丁目の「カラオケバー」や「会員制クラブ」などで3つのクラスターが発生し、これで4つ目に。

大村知事は30日、感染経路不明者はほとんどが夜の繁華街に由来していると説明したうえで、若者を中心に外出自粛を呼びかけました。

 その日の夜の錦三丁目。人は少ないながらも、飲食店に入っていく若者やサラリーマンの姿が…。

静岡県の女性:
「いま20歳です。ご飯食べて、カラオケ行く感じです。飲まされました、アハハハ。(コロナに)うつりたくはないなっていうのはあるけど、極力こっちがしっかりアレしとけばいいかなみたいな」

 店を構えて34年。緊急事態宣言の解除後、スナックの営業を再開した錦三丁目の名物ママ・田中登美子さん。いまの胸中は…。

スナックの田中さん:
「お客さんもちらほら出てきて、本当によかったなと思った矢先、6月後半、7月に入ってクラスターとか陽性の方々が増えてきました。7月のいま後半、もう最悪です」


およそ2か月ぶりに営業を再開し、常連客が戻り始めた矢先に再びお店はガラガラに逆戻り。

田中さん:
「もちろん営業しているんだから、お客さん来ていただきたいですよ。それで当然お客様にお電話も差し上げたい、メールもしたい。でも以前と違ってね、コロナ見舞いですよ。『大丈夫ですか?』『コロナ気を付けてくださいね』って。でもそのあとに『寄ってください』っていう言葉はね、喉元まで出てても言えないですよ」

 お客さんのことが大切だからこそ、「寄ってください」と軽々しくは言えないと話します。

田中さん:
「すぐ近くにクラスターが発生したっていう情報も、自主的に休業してらっしゃるお店の方々が何人もいらっしゃったりします。まだ国も県も補償のお話は何もないですから、自粛してくださいっていうだけの話で。錦の繁華街に飲食行かないでくださいっていう。でも私はこの夜の錦の街で仕事をしてますから」

 名古屋でまた「自粛要請」が出されるかもしれないと、錦三丁目の店主たちは不安な日々を過ごしています。