新型コロナの影響で全国の花火大会が中止になる中、各地でサプライズ花火が開かれています。先日、蒲郡市内の14の場所でも同時にサプライズ花火が打ち上げられました。街を元気づけたい、青年会議所と地元の花火会社が協力しあって企画した花火大会を取材しました。

■市内のどこからでも見えるように…こんな時だからこそ花火をみんなに楽しんでもらいたい

 8月16日。蒲郡市の花火会社の職人たちが、打ち上げの準備を進めます。

その様子を見守るのは、今回の花火を企画した蒲郡青年会議所の鈴木将浩さん。

鈴木さん:
「観光、宿泊のキャンセルが多発したり、蒲郡市内いろんな人に多く影響を及ぼした中で、市民の皆さんを元気づけたいなという思いで今回の花火を企画しました」

 観光の町でもある蒲郡にとってコロナの影響は大きいと言います。

そんな町に明るい話題を、と今回の花火を企画しました。そしてより多くの市民に見てもらおうと考えたのが…。

鈴木さん:
「蒲郡市内14か所に分散して開催することで、いろんな場所に集まらず花火を楽しめます」

密を避けるため、告知は最小限に。代わりに蒲郡市内14か所から同時に花火を打ち上げることで、市内のどこからでも花火を見られるようにしました。

同時に14か所から花火をあげることは全国的にも初の試み。かなり大規模です。

打ち上げを担当する加藤さんは…。

加藤煙火 加藤克典さん:
「楽しみですね。こんな楽しみなのは久しぶりなくらい。やったことなかったことですし、蒲郡の景色がどうなるんだろう」

 しかし、14か所となると、相当人出がいるのではないのでしょうか。

加藤さん:
「自分たちの心配をよそに、手伝ってくれる人がすごく多くて、花火も愛してもらってるし、人を集めるのは大変なはずだけど、苦労はしなかったですね」

 打ち上げ会場の見回りを終えた鈴木さんはある場所へ向かいます。

鈴木さん:
「今からはライブ中継を行う予定の消防署の屋上に向かっています」

屋上からのライブ配信。これも大勢が集まらずに花火を見る方法はないかと考えてひらめいたアイデアです。

 午後8時。蒲郡市内14か所から花火が打ちあがり、空一面を照らします。無事の打ち上げに鈴木さんもほっとした様子で花火を見つめます。

 事前の告知で知り、花火を見に来た人は…。

花火を見に来た子供:
「きれいだった!」

花火を見に来た男性:
「どこにも出られない状況で、みんな落ち込んでる時に、こういうのをやってくれるのは本当にありがたいと思います」

 14か所から1000発。わずか10分だけの花火でしたが、蒲郡の夜空と市民の心を明るく照らしました。

鈴木さん:
「これをきっかけに蒲郡が新しく、コロナに負けないぞという気持ちで、皆さんを元気づけられてうれしいなと思います」