コロナの影響で外出を控える中、せめて自宅で美味しいものを食べて欲しい、と各デパートが色んなアイデアを打ち出しています。名古屋の3つのデパートイチオシのこの夏の逸品を調査しました。

■今だからこそ…デパ地下が提案する「家で楽しむグルメ」

 まず、名古屋駅の真上にあるジェイアール名古屋タカシマヤのテーマは、“おうちdeグルメ”。この夏、外出を控える人が多かったことから、自宅でプチ贅沢を楽しめるグルメを提案しています。

 生ケーキを中心に、見ているだけでもワクワクするようなスイーツを70種類以上揃えます。例えば、パティスリー・サダハル・アオキ・パリからは新作の“ペッシュ ヴェルヴェンヌ”。

 ピンクのまるで大きなおまんじゅうのような可愛らしい見た目です。周りは桃のクリームになっていて、中にはハーブティのクレームブリュレが詰まっています。ジューシーな桃の風味が夏ならでは。ハーブの香りもさわやかです。

 またコロナ禍で、売り上げを伸ばす店も。「クック1/2(にぶんのいち)」。ちょっと不思議な店名ですが、商品を見ると、蒸した大根に蒸したカボチャ、カットした野菜など。

つまり「蒸す・焼く・煮る」といった半分調理したものを販売することから、この名前でした。

女性客:
「茹でてあるから、そのまま食べられる。お手軽」

別の女性客:
「これだったら家帰ってですぐ食べられるし、アレンジして煮付ければいい。他のところにはない」

 ステイホームが続く中、調理のひと手間を省けることで主婦から注目を集めています。例えば、「温野菜サラダ」。そのままでもおいしいのですが、塩とコンソメを加えて煮れば、あっと言う間にポトフが出来上がります。

 野菜に火が通っているので、ほんの数分煮込むだけでよく、確かに便利。コロナの時代にマッチしているとも言えそうです。

 続いて、名古屋栄三越のコンセプトは“家で食事を楽しむ”。ここのイチオシは、全国のデパ地下に60店舗を展開する名古屋発祥の惣菜専門店「まつおか」。ショーケースには30種類以上の惣菜が並びますが、意外にもこれまでなかった“詰め合わせ”を8月からスタートさせました。

 背景にあったのは「ご飯は自宅で炊くのでお惣菜だけ欲しい」「パッと来てパッと買って帰ってパッと食べたい」といったニーズの高まり。これらも外食が減ったコロナ禍の影響かもしれません。

 気になる中身は、日替わりの6種類。メインは魚か肉かを選べます。そして「まつおか」と言えば…という一番人気メニューの「生芋こんにゃく」がほぼ入ります。ピリっと辛い甘辛の炒め煮で、モチっとした食感がクセになります。

女性客:
「お家にご飯が炊いてあるのでとても便利だと思います。手間はいらないし、ゴミが出ないし、いいことばっかりです」

別の女性客:
「メインのものにちょい足し出来る」


 日替わりなので、どんなものが入るのかもお楽しみ。2人前程度の量です。

 また、三越でも人気だったのが自宅で手を加える食材、東京銀座の老舗漬物店「銀座若菜」の発酵ぬか床のセット。「ステイホームで在宅時間が長い今だからこそ、ぬか漬けに初トライしたい」という声があったそうです。

 保存袋とガイドブックが付いていて、初めてでも手軽に作れると言います。好みの野菜を塩で揉んだ後、保存袋にぬか床と一緒に入れて冷蔵庫で寝かせておくだけ。

 ぬか漬けと言えば、毎日かき混ぜたり、漬けるのに時間がかかったりと何かと手間がかかるイメージですが、これは一度漬けたら、ぬか床のかき混ぜは不要。最短だと半日程で出来上がるそうです。その手軽さも人気の理由です。

女性客:
「自分でやるとすごい手間がかかるけど、これは手間がない分いいかな」

別の女性客:
「ちょっと手間をかけて何かをするっていうのが今ブームなので」


 ほんのちょっとのひと手間が、主婦の心をくすぐります。

 そして最後、松坂屋名古屋店のおすすめは“総菜”。中でも「東海地方ではここだけ」という商品に特に、力を入れています。

そのうちの一つが、東海地方でここだけという「銀座アスター」のテイクアウト専門店。よく知られる中国料理の名店ですが、デパ地下で惣菜を販売しているのは、松坂屋名古屋店だけとのこと。

 酢豚に麻婆豆腐、青椒肉絲(チンジャオロース)などの定番をはじめ、20種類が並びます。しかも、どれも松坂屋のレストラン街にある店舗で、調理した出来たてのものです。

女性客:
「出来たてが一番ですよね」

別の女性客:
「素晴らしく美味しいです。お弁当とかここしかデリカで売っていないので買いにきます」

 一番人気は、「焼きそば」。肉やエビ、野菜がたっぷりの餡を、食べる時にかた焼きの麺と合わせます。レストランさながら、本格的です。

 さらに、全国でもここだけの“名古屋らしいもの”が…。フリーズドライのお吸い物などを扱う「花一会」のひつまぶし。

女性客:
「名古屋ならではって感じですね」

別の女性客:
「値段がそれほど高いわけじゃないんですけど、他のところで買えないってなるといいのかなと」

 ポイントは楓の形をした最中。中にあられや海苔など、フリーズドライの具材が入っていて、ご飯に乗せ、お湯を注げば、お茶漬けの具材になります。仕上げに別包装のウナギを乗せれば、「ひつまぶし」の完成です。

 ほかにも松坂屋名古屋店の「おうちde矢場とんレンジシリーズ」も人気。コロナで自宅での需要を考えて、6月から出された新商品で、レンジで温めるだけで、みそ串かつやロースとんかつが味わえます。

 保存も1ヶ月ほどは持つという事で、松坂屋名古屋店本館地下一階の矢場とんの店舗で購入できるそうです。