将棋界注目の大一番が始まりました。藤井聡太二冠が歯が立たない相手、愛知県一宮市出身の豊島将之竜王が、レジェンド・羽生善治九段と7番勝負で対局する「竜王戦」が開幕しました。

 注目は、羽生九段が通算獲得タイトル100期となるのか。それとも、豊島竜王が悲願の初防衛となるかです。

 先日、藤井聡太二冠に公式戦6連勝を果たしたばかりの豊島将之竜王。

 あれからわずか4日。今度の対戦相手は、将棋界のスーパースター羽生善治九段(50)です。これまでに獲得したタイトルは通算99期、前人未到の100期へ再挑戦です。

 2人の対局はこれまで33局あり、豊島竜王の16勝17敗と拮抗。しかし、豊島竜王にとって羽生九段はこれまで「大きな壁」となってきました。

 2014年の「王座戦」。当時、七段だった豊島竜王が初タイトルを目指して羽生王座に挑戦。

 2勝2敗で迎えた第5局も熱戦となりましたが、あと一歩及びませんでした。この時、羽生王座は…。

羽生九段(当時):
「もう負けかなと思って指していました」

 翌年、羽生九段が当時保持していた「棋聖」に挑戦するも、跳ね返されました。

豊島竜王(当時):
「あまりうまくいかなかったというか、全体的にあまりうまく指せなかったです」

 さらに豊島竜王はこの年、西武ドームで行われた、車を駒に見立てた『リアル車将棋』でも敗北。

 今、藤井二冠の前に自身が立ちはだかるように、豊島竜王にとっては羽生九段が壁となっていたのです。

 それでも豊島竜王、2018年の5度目の挑戦で、初タイトル「棋聖」を獲得。

 その相手が羽生九段で、この時タイトル通算100期を阻止していたのです。

 そして、今回の竜王戦…。

豊島竜王(10月2日):
「竜王戦に関しては羽生九段のタイトル100期が掛かっていて非常に注目されると思っているので、簡単に負けないように一局一局もシリーズ(七番勝負)も、熱戦になるようにしたいと思っています」

 羽生九段が100期の金字塔を打ち立てるのか。それとも豊島竜王がタイトルを防衛するのでしょうか…。