ネコカフェでネコが気持ちよさそうに寝ているベッド。ネコ専用のベッドで、1台4000円以上しますが、購入は半年待ちと大人気です。

 ある意外な発想から生まれたネコ用ベッドの、人気の秘密を取材しました。

 撫でられて気持ちよさそうな表情を見せたり、おもちゃを追いかけたり…。38匹のネコたちが愛くるしい姿を見せるのは、岐阜県中津川市のネコカフェ「Ohana」。

 ここで今、ネコたちが夢中になっているのが、ちょうど一匹がすっぽりと収まるサイズの木製のベッド。9月にカフェの中に1台置いたところ、連日何匹ものネコたちが群がり、今では3台に増やしました。

保護猫カフェのオーナー:
「最初置いたときはすぐ集まってきて、そのあとは入れ代わり立ち代わり…。ヒノキの匂いがするので、その匂いがみんな気になるみたいで集まってきました」

 実はこのベッドはヒノキで作られていて、その香りが人気の理由のようです。それにしてもなぜ、ネコのベッドに高級木材のヒノキなのでしょうか。開発・販売している中津川市付知町の観光事業会社「ゴシンボク」を訪ねてみると…。

ゴシンボクの担当者:
「付知産の木曽ヒノキの香りです。木肌が温かくて、色も香りもいいんですよ。ネコちゃんに人気の秘密の1つだと思っています」

 良質で伊勢神宮の御用材にもなる付知町のヒノキ。そんなヒノキで作られたネコ用のベッドですが、実は当初の使い方は全く違い、中学校の授業の一環で、木工体験用のプランターのキットとして作られていました。

 元々は花用のプランターで、授業で余ったものを毎年地元のイベントで販売していましたが、今年は新型コロナの影響でイベントが中止に。7月初旬にホームページで販売したものの、1カ月経っても1台も売れませんでした。

ゴシンボクの担当者:
「ネコ好きのスタッフが、『うちのネコが入るかもしれない』って。実験したところ2匹飼っているネコちゃんがどちらもかわいく入って、寝ちゃうんですよね。じゃあこれ、ネコ用プランターで売ろうってことで生まれました。コロナでイベントが中止になっていなければ、何とかしようと考えなかったと思うので」

 コロナ禍で生まれたこのアイデアが大ヒット。

ネコカフェの様子を見ていると、寝ているネコに待っているネコが催促。それでもなかなか譲ってもらえないので、さらにちょっかいをかけると…飛び掛かって喧嘩になった隙に空いたベッドにスルリ。どうやらネコにはたまらない魅力があるようです。

 そんなネコ専用ベッドは、完成品で1台4000円以上とちょっと値が張りますが、全国から注文が殺到。これまでに500個以上が売れ、いまでは生産が追い付かず、半年先まで予約が一杯だといいます。

ゴシンボクの担当者:
「どうしても、天然木で手作りでつくっているので、時間がかかるんですね。気長に、6か月ほど待てる方に限り、ご予約を受けさせていただいています。ネコちゃんと一緒に、お待ちいただけたらと思います」

 このネコ用ベッドは、「ゴシンボク」のHPからオンラインで予約できますが、現在はおよそ半年待ちとなっています。価格は、(ネコの体重が5キロまでの)シングルサイズで4400円ですが、原材料のヒノキが減ってきたこともあり、15日の予約からは5060円に値上がりとなります。