名古屋の栄を拠点に活動するアイドル「SKE48」。新型コロナウイルスの影響で、劇場に観客を入れての公演を取りやめていましたが、26日、約8か月ぶりに劇場にファンを入れて、公演を再開しました。華やかな世界の中で抱えていた悩み…公演再開までを取材しました。

 名古屋・栄の人気アイドルグループSKE48。

大場さん:
「というわけでみんな!ファンのみんなが帰ってきたよ!おかえりー!!」

 26日、8か月ぶりに観客を入れての劇場公演が行われました。コロナ禍で直面した厳しい現実…。

江籠さん:
「誰が悪いわけでもないので、そこはもうぶつけようのない感情だなと」

大場さん:
「めちゃくちゃ不安でしたね。やっぱり今まで11年間、それが止まることってなかったので」


 今メンバーたちがステージから伝えたいこと、それは…。

 10月21日、稽古場でレッスンに励むチームKⅡのメンバーたち。

 大場美奈さん、28歳。チームのリーダーです。

大場さん:
「先生、この(フォーメーションの)番号はどうしますか?いつ移動するんですか?」


 チームのメンバーは全部で16人。これまでは全員がステージに上がっていましたが、密を避けるため、コロナ禍の公演は半分の8人で行うことになりました。ダンスのフォーメーションは組み直しです。

大場さん:
「接触とかもめちゃくちゃあるものなので、ペアで手を握ったりとかもする…。でも今この時代ってそれもできない時代なので。なくした状態でパフォーマンスするとなると、ダンスも変わるし」


 アイドルとしての日常にも大きな変化が…。

大場さん:
「私ってお仕事とったら、こんなに何もすることない人間なんだ…」

 コンサートやイベントは立て続けに中止が決まり、“会いに行けるアイドル”は“会えないアイドル”になってしまいました。

大場さん:
「私ももう28歳なので、次のステップをちょうど考える時期。自分の人生設計が少し変わっちゃったんで」


 不安は他のメンバーからも…。小学生でSKEに加入し、今年で20歳を迎えた江籠裕奈さん。

江籠さん:
「私はもう8年以上アイドルを続けてきて、小学生の時から週末には握手会とかイベントやライブがあって、平日も夜から劇場公演があったりとか。それが当たり前の生活だったので」

 江籠さんにとって、生活の一部だったファンとの交流。

江籠さん:
「私もファンの方と一緒で、みんな(メンバー)のSNSをみて生存確認じゃないけど、元気そうだなと。皆さんと同じ立場で感じていたことだったので、寂しかったですね」

 メンバーも、そしてファンも…。一心同体の“SKE48”。会えないことで、気づいたことがあるといいます。

大場さん:
「(公演の)一番最後に『支え』という曲があるんですよ。最後に仲間としてお互いを思い合う歌を歌ったときに、皆が感動してくれてこのステージいいなと思ってくれたら、もう感無量です」


 支え合うことの大切さ…。コロナで失ってばかりではありませんでした。

 26日、8か月ぶりの観客を入れての公演。劇場にファンが戻ってきました。最大でおよそ300人入る劇場は、間隔をあけ、およそ7分の1の40人に。一斉に声援を送るコールも、大声になるため禁止です。

 しかし、声に出さずとも気持ちを伝える方法はあります。ファンは「劇場公演を待ってた!」と書かれたシャツや、「再開おめでとう!」と書かれたうちわなどを用意。再開をともに喜びました。

 そして公演の最後は…。

大場さん:
「次が最後の曲になります。聞いてください、『支え』」

<仲間はいつだってここにいる 私は一人きりではないんだ 一緒にあの星を見ている みんながいること支えだった>

女性客:
「パワフルな踊りとかを見ていると、自分ももっと元気に頑張ろうなと思いました」

男性客:
「久々に生の笑顔が見れたことが、一番良かった」

江籠さん:
「マスクとフェイスシールド越しに、ファンの方も一緒に歌ってくれているのかなと、一つになった感じがして嬉しかったです。私はSKE48と一緒に大人になったと思っているので、これからも続いていったらいいなと思うし、大事にしていきたいなと思います」

大場さん:
「自分たちも皆さんと一緒で、止まってしまった時間もあったし、悩んだりとか普通の一般の女の子としての悩みを抱えていた時期もすごく長かったんですけど、改めて自分たちの歌ってきた曲だったりとかで、自分で歌いながら私たちも元気づけられました。私たちはとにかく自分たちが与えられた場所で、おもいっきり自分たちのできることをやるのみだなと思います」