三重県の熊野地方では、戦前から「ご当地菓子」として「しらたま」が食べられています。商店街にある老舗和菓子店は、こしあんを包んだ「しらたま」が名物です。
熊野市駅から徒歩で5分ほどのところにある、惣菜店や書店などが並ぶ昔ながらの商店街。

この商店街にある和菓子店「志ら玉屋(しらたまや)」は、明治から続く老舗です。

一般的なまんじゅうの皮は小麦粉で作りますが、志ら玉屋のしらたまは米粉で作ります。
米粉を蒸してついた餅でこしあんを包み、さらにそれを蒸すのが熊野のしらたま。蒸すことでもっちりとしたお餅のような食感になります。

あっさりしていて、やさしい上品な甘さです。

かつては市内の数店舗で扱われていましたが、今ではこの店だけに。店主の橋本勝巳さんは85歳。人生の大半をかけて守り続けてきた味には深みがあります。