愛知県東海市の喫茶店「フレンズ」は、超大盛りサービスで人気の店です。店を営む姉弟が「客が喜ぶ顔を見たい」と始めた大盛料理は、地元のソウルフードとして愛されています。

■大盛り具合はまるで「マンガのごはん」…そのボリュームで地域に愛される街の喫茶店

 名古屋から車でおよそ30分、愛知県東海市の喫茶店「フレンズ」。

 地元の人を中心に大人気のお店です。ランチで賑わう店内でお客さんの目の前に現れたのは、ソースが皿からこぼれ落ちそうな、あんかけスパに…。

マンガに出てきそうなほど、ごはんが大盛のからあげ定食。

女性客:
「大満足。このボリュームで」

男性客:
「これ、ちょっとやりすぎちゃったかもしれない。想像超えちゃった」

別の男性客:
「本当に大盛りだわ。噂には聞いていたんですけど、ビックリしました」


 この店の一番のウリは、そのボリューム。

例えば、人気メニューの「あんかけスパ(からあげ)」(780円)は、210円プラス(990円)で、麺が大盛りに。その重量800グラム。

 「カツカレー」(980円)は、160円プラス(1140円)で、ご飯の量が3合になります。

 どれも迫力満点です。

■姉「地元の働く人にお腹いっぱい食べてもらいたい」…先代の両親は「利益出ない」と反対も大盛を続ける姉弟

 店は、接客から厨房までこなす店長の出口玲子さんと、調理担当の弟の川口真澄さん。姉と弟で切り盛りしています。

 チャーハン大の注文が入りました。ご飯の量は1人前で約3合。

 1キロを超える重さをものともせず、弟の川口さんは、軽やかに鍋を振ります。

 子供でも食べやすく、塩コショウであっさりとした味つけに。「大盛りチャーハン」(810円)は、家族でシェアもできる人気のメニューです。

 大盛りメニューは他にも。「大盛りオムライス」(890円)は、卵を2個を使い、3合分のケチャップライスを包みます。

 食べきれなかったときでも安心。容器がもらえるので、持ち帰りも可能、嬉しいサービスです。

 コスパが良いフレンズのメニューですが、なぜここまで大盛になったのでしょうか。

 フレンズのある愛知県東海市は、東海地方最大の鉄鋼基地。そこで働くたくさんの人が来店することから、お腹いっぱい食べてほしいと量を増やしてきました。そのサービス精神は口コミで広がり、今では、家族連れや女性客も多くやってきます。

 フレンズはおよそ50年前、店長の両親が創業。10年ほど前に高齢の両親に代わって、出口さん姉弟が引き継ぎました。

 すぐに始めた大盛りサービスを見た両親は、「利益が出るはずがない」と猛反対。それでも、出口さんは大盛りをやめませんでした。

店長の出口さん:
「どんどんそうなっちゃった。お客さんが食べたい顔をしているからね」

調理担当の川口さん:
「お客さんが喜んで来てくれるなら。普通の量にして、暇な店よりいいかなって思うんです」

■「味の決め手」は秘伝の自家製タレ…カリカリでほんのり甘い人気のジューシー唐揚げ

 喫茶フレンズの売りは、ボリュームだけではありません。1回で12キロの鶏肉を使うからあげの仕込み。

 自家製のしょうゆダレで漬け込みますが、その味の決め手が、パンケーキを作るときに使う、バターミルクの粉末です。

 鶏肉がやわらかく衣がカリッと仕上がり、ほんのりミルクの甘い風味も加わって、女性や子供にも食べやすくなるといいます。

男性客:
「からあげがホントおすすめ。味と量。値段の割に量がめちゃめちゃ多い」

 また毎日来ても飽きないように、味にもバリエーションを。プレーンだけでなく、「おろしからあげ定食」(880円)や「タルタルからあげ定食」(880円)など8種類。

 あんかけスパも、「あんかけスパ(ソーセージ)薄焼きタマゴのせ」(910円)や、「あんかけスパ(とんかつ)」(820円)など9種類をそろえています。そんなフレンズについて常連客は…。

男性客:
「(東海市)名和町のソウルフードはフレンズです。子供のころからお世話になっているから」

別の男性客:
「ここで食べると他で食べにくくなる。ちょっと遠くにいても、ここまで来て食べちゃう」

 街の人たちから、広く濃く、愛されています。

出口さん:
「皆さんに愛されて、楽しく長く、続けていけたらなと。量だけではなく質も頑張って努力して勉強して」

 味付けの工夫やシェアできることで、女性や家族連れからも人気のフレンズ。まさに街のソウルフードです。