年の瀬の風物詩の一つ「年末ジャンボ宝くじ」。今年は1等前後賞合わせて10億円、1等の7億円は22本用意されています。

 去年、億万長者が3人出た名古屋駅にある宝くじ売場「名駅前チャンスセンター」には、今年も夢を求めて多くの人が訪れます。

 コロナ禍でも夢は大きく。高額当選で人気の宝くじ売り場には、様々な人間模様がありました。

■午前2時に並んだ男性「夢買うのは先頭でなきゃ」…全国から客訪れる 高額当選者続出の宝くじ売り場

 1994年以降、「名駅前チャンスセンター」からは、累計271人の億万長者が出ています。多くの高額当選が出た売り場として、全国的にも有名です。

 午前7時半。開店の1時間半前。売り場の中では販売に向け準備を進めていました。

宝くじ売場の担当者:
「去年、1等前後賞合わせて10億出ましたので、今年も期待しております。最後良ければ終わりよしで」

 表には行列もでき始め、午前9時販売開始です。今年は新型コロナの影響で、朝一番のお客さんは少なめでしたが、宝くじは飛ぶように売れていきます。一番乗りを果たした男性。職場の後輩と買いに来ました。

男性(29):
「午前2時に並んで。夢を買おうと。先頭で1番に買ってやろうなって」

男性の後輩(19):
「夢買うのは、先頭じゃないとダメじゃないですか」


 深夜2時から並ぶ気合いの入れようです。もし当たったら、親孝行したいと話す男性は、この後ゲン担ぎにある場所へ向かうといいます。

■買った宝くじを水で洗って清める…金運のご利益があるといわれる神社には県外からも参拝客が

 先輩と別れ、男性が向かったのは、名古屋市北区の「山田天満宮」。学問の神様で有名ですが、敷地内にある「金神社」は金運のご利益がある神社と言われています。

 買った宝くじをザルに入れ、水で洗って清めます。

男性:
「『高額当選した』みたいな紙とか貼ってある。なんかあるのかなという感じですね」

 金神社は他にも参拝客が来ていました。その手にはポリ袋が…。

男性会社員(47):
「年末ジャンボ宝くじです。今朝、名駅で買いました。直接濡らせないので(袋に入れて)さっき洗いました」

 毎年、名古屋で宝くじを買うために、神奈川県から新幹線で来ているという男性。決まって、金神社で願掛けをしているそうです。

同・会社員:
「ネットで知りまして、何度かお邪魔するうちに数千円ですけど当選しましたので。4回目ですね」

 SNSでも話題となり、全国から宝くじを手に参拝客が訪れます。

■「金色の袋」持参する人も…一攫千金を狙うそれぞれのゲン担ぎ

 終日、売場は行列が途絶えません。家族4人で買いに来た人は…。

母親(27):
「自分たちのは30枚で、親のを含めて60枚。狙いは一等で。夢をつかみに」


 今年2人目の女の子が生まれ、当たったら一軒家を建てたいと話す父親。宝くじは、カーテンレールの上に置き、ひたすら当たるように祈っているといいます。保管の仕方も人それぞれです。

 また別の男性は、金色の袋を持っていますが…。

会社員(33):
「宝くじの袋みたいな…。金運が含まれていると思うので。更に、宝くじの専用の袋が入っています」

 東京の神社で買った金色の袋に、宝くじを2重に入れて保管しています。当たったら、「3分の2は自然災害に遭った地域へ募金、残りはお世話になっている人たちへ」と話します。

■過去10万円当選の男性「家族から、お祝いは分けなさいと」…当選金を配るはめになった苦い経験

 お昼時。売場の賑わいも一段落です。売場の担当者によると、去年よりやはり人は少ないといいます。

 この日チャンスセンターを訪れた会社員の男性。宝くじに苦い思い出があるといいます。

男性会社員(65):
「10万円当たりました。親戚に取られました…」

 1等の組違いで10万円が当たり、家族に報告したところ『お祝いは全部分けなさい』と言われ、9人に1万円ずつ配る羽目に…。手元には1万円しか残りませんでした。今後は当たっても家族には絶対報告しない…といいます。

 仕事帰りに立ち寄る人も。

女性会社員(28):
「前期、後期、中期、3回に分けて、連番10枚とバラ20枚を買います」


 職場の同僚3人で買いに来ました。3人は「当選発表まで悪い事はせず、世の中のためになる事をします」と話します。

■主婦「当たったらまたいい旅行を」…コロナの影響で断念した旅行の費用で宝くじを購入

 コロナの影響を受けたという女性もいました。

主婦(80):
「北海道行くはずだったけどキャンセルしたの。だから宝くじ買いに。テレビの運勢で、かに座が一番いいって言っていたから」


 「GoTo」で北海道旅行を予定していましたが、感染拡大で敢え無く断念。旅費の一部を、宝くじに充てました。当たったら、またいい旅行がしたいと話します。

 34歳、主婦の女性は…。

主婦(34):
「出かけられないっていうストレスがあるので、何か楽しみをと思いまして」

 外出しづらくなった今年の年末。当選発表後に、家族で宝くじを広げて、当たりを探したり、おうち時間を楽しむと話します。

 去年の年末ジャンボを引き換えに来たという男性も…。

男性(81):
「そろそろ引き換えの期限が。去年の年末ジャンボ、8100円当たった。今年はこれで締めくくれるかなと」

 毎年恒例、年の瀬の楽しみです。この日買った年末ジャンボについては、「確認はまた1年後、神棚に飾っておきます」と話します。

 午後8時に閉店。10億円の夢を見て多くの人が集う「名駅前の宝くじ売場」。コロナ時代でも夢は大きく、笑顔溢れる人々の姿がありました。